委員会審査報告 幼児教育・保育の無償化など

6月議会も各委員会での審査を終え、6月25日の本会議最終日を残すのみとなりました。今日は各委員会で何が議論されたのかを報告します。

【6月14日 建設環境委員会】
田村が所属している委員会ですので、少し詳しくご説明します。
まず議案は11件ありましたが、内容的にまとめると3件です。

①西東京市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例
災害援護資金(災害救助法が適用される災害の発生時、生活再建に必要な資金を貸し付ける制度)の貸し付けについて、国の法律、および法律施行令が一部改正されたことに伴うもの。①保証人がいない場合でも貸し付けを可能とする、②据置期間経過後の貸付利率を従来の3%から、保証人がいる場合は無利子、保証人がいない場合でも1%にするという内容です。
利率については「3%以内で市町村が条例で定める」となっていますが、質疑では他の自治体と比較した場合でも最も低利に設定したとのことです。また、これまでの適用例では、御嶽山噴火の際に西東京市在住者が1名おり、その際に適用されたとのことです。

結果:賛成全員で可決

②市道路線の認定について×8 市道路線の変更について×1
ほとんどが新たな住宅開発に伴いできた道路で、市に寄附されたものということでした。
カーブミラーをつける予定があるのか、隅切り(道路の交差部分の見通しをよくするため、角地に三角形の空地を設けること)が片側にしかないが良いのか、といった質疑がありました。

結果:賛成全員で可決

③損害賠償の額の決定について
平成29年5月に、ひばりが丘駅南口の市道上を歩いていた方が、がたついていた平板ブロックで体勢を崩して転倒、手に後遺障害が残るなどしたため、約320万円の損害賠償をすることになったというものです。
質疑では、まず冒頭で被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたうえで、実際どの程度の段差が発生していたのか、その後の対応はどうなっているかを聞きました。段差については3センチほどだったとの答弁でしたが、わずかな段差でも大きな事故につながる危険性があることを改めて指摘、担当課として道路管理を徹底するのはもちろんのこと、我々議員も日々気づくことがあれば連絡をすると申し上げました。

結果:賛成全員で可決

次に請願2件、陳情4件の審査を行いました。

東京都に対し、市内の都有地での除草剤、農薬等の使用は西東京市の取り組みに準拠して行うことを求める意見書に関する請願
西東京市では住宅地等での農薬使用について「住民や子ども等への健康被害が生じないよう、できるだけ農薬を使用しない管理を心がけてください」といった呼びかけをしています。請願は都に対して住宅供給公社や自治会も含めて市の取り組みに準拠するよう求める意見書を提出してほしいという内容でした。
質疑では賛同する意見が出る一方、自治会も高齢化する中で手作業での除草には限界があるといった声も出ました。賛否が真っ二つに割れて可否同数となったため、委員長の判断により採択という結果になりました。

結果:賛成4(大竹-共産、小峰-みらい、後藤-ネット、田村)、反対4(小林-自民、酒井-自民、山田-自民、田代-公明)、坂井委員長(立憲)の判断で採択

建築基準法の緩和措置は厳格に適用し、審査されることを求める請願
北町5丁目に建築基準法の用途制限を例外的に緩和して、自動車修理工場を建設するという申請がされていることを受けて、緩和措置は厳格に適用して審査されることを望むという内容でした。
私は個別の審査に良い悪いと言うことはできないが、西東京市は住宅都市であり、特に北町の地区はみどりと調和したまちづくりが求められていることもあり、厳格な運用を求めるのは当然のことと主張しましたが、現に建築審査会での審査の過程にあることから、継続審査とすべきという結論になりました。

電磁波・超音波と思われる住民への嫌がらせに関する陳情
表題の件について市役所に対応部署を設置してほしいといった内容。過去2回同内容で提出されており、いずれも不採択となっていた陳情でした。

結果:反対全員で不採択

最低賃金の大幅引き上げの改善を求める意見書を提出することを求める陳情
表題の意見書を市として国と東京労働局に提出してほしいといった内容。質疑ではワーキングプアの問題は深刻であり、最低賃金の引き上げに向けた取り組みはぜひ進めてほしいという意見が出る一方、雇用側の問題もあるという意見、また同趣旨の意見書を議会として提出している例はあるが、本陳情のように「市として」提出する例はないといった答弁がありました。

結果:反対全員で不採択

調布保谷線(伏見通り)残地に防災井戸・防災ベンチ等の設置を求める陳情
未整備の残地等に防災井戸や防災ベンチを設置し、地域防災の向上に資する道路にすることを求める内容。質疑の中では、すでに残地活用に限定せず防災事業の充実に向けた要望はしていること、また沿道に防災井戸やベンチ等を設置するとかえって避難時の通行や、資材の保管等に支障が出る可能性があるといった市側の意見が出されました。

結果:反対多数(共産党の大竹委員は賛成)不採択

通行権の確保と生存権(憲法第25条)の侵害に関する陳情
内容に個人のプライバシーに関わる問題があることから、その取扱いについて議会運営委員会に差し戻すことになりました。

以上が建設環境委員会の内容でした。今回は請願・陳情が多く、判断に迷うものも多くありました。私は、市民が自らの問題意識から出発して提出された意見というのは最大限尊重し、受け止めたいと基本的に考えていますが、行政側には行政側の論理があり、それなりの納得できる理由もあります。しかし、行政側の論理は時に「できない理由探し」になる場合もあり、いつの間にかそちらに引っ張られてしまうのも怖いなあと思いました。改めて自分自身がもっと勉強していかなければならないなと考えさせられました。

【6月14日 文教厚生委員会】
建設環境委員会と同日に行われたため、審議の詳細まではわかりません。議案2件と陳情1件が審査されました。

西東京市介護保険条例の一部を改正する条例
国の政令改正により、介護保険第1号被保険者の保険料について、低所得高齢者の保険料軽減措置を拡大するものです。これにより所得第1段階の介護保険料は27,100円、第2段階は39,300円、第3段階は49,300円となります。

結果:賛成全員で可決

西東京市児童保育費用徴収条例の一部を改正する条例
幼児教育・保育の無償化にかかる条例改正です。予算を伴う内容は後述する予算特別委員会で審議されました。

結果:賛成全員で可決

同性パートナーシップの公的承認についての陳情
西東京市でも同性パートナーシップの承認制度を創設するため、協議を開始することを求める内容。

結果:賛成全員で採択

同性パートナーシップの件でどのような意見が出たのか詳細は分かりませんが、反対者なく賛成全員で採択されたのは非常に良かったと思います。

【6月17日 企画総務委員会】
田村は委員ではありませんが、傍聴してきました。議案2件と陳情1件が審査されました。

西東京市市税条例等の一部を改正する条例
個人住民税の非課税措置について、合計所得金額が125万円以下の障害者、未成年者、寡婦または寡夫に、単身児童扶養者(児童扶養手当を受けている児童と生計を一にする未婚または配偶者の生死が明らかでないひとり親)を加え、合計所得金額についてはともに135万円以下とすること、軽自動車税のグリーン化特例(排出ガス性能や燃費性能の優れた軽自動車への軽減税率)の延長、見直しをすることなどを含む内容です。
質疑では、これらの措置に伴う税収への影響額や、軽自動車への誘導策などを考えているのかといった質問がありました。

結果:賛成全員で可決

西東京市都市計画税条例等の一部を改正する条例
所有者不明土地を地域福利増進事業(公園、緑地、購買施設などを想定)のために利用する場合、特例として最初の5年度分は課税標準となるべき価格の3分の2の額にするという内容です。

結果:賛成全員で可決

政党機関紙の購読を求める行為をはじめとした西東京市庁舎内での政治活動に関する調査を求める陳情
表題のような調査を求める内容でしたが、継続審査となりました。

【6月18日 予算特別委員会】
議長、副議長を除く26名の議員で構成されます。もちろん私も委員です。一般会計の補正予算2件と、介護保険特別会計の補正予算が審査されました。

令和元年度西東京市一般会計補正予算(第2号)
令和元年度西東京市一般会計補正予算(第3号)
補正予算が2つ同時に審査されるというのは異例のことのようです。そのため、第3号の補正は第2号が可決した前提で作られている、おかしいのではないかという質問も出ましたが、手続き的には問題ないということで、そのまま審議が進みました。ポイントはいくつかありましたが、まとめると4点になるかと思います。

①児童扶養手当受給者のうち未婚のひとり親に対する臨時・特別給付金の支給
対象者に17,500円の給付金を支給するというもの。対象者は約150名。10月31日を基準日とし、1月の支給分に上乗せして支給されるということです。

②北町にある「農のアカデミー体験実習農園」の所有者への返還
所有者から返還を求められたことにより、原状復旧工事や、施設整備にかかる都からの補助金について耐用年数の残分を返還するための費用が計上されました。

③道路管理にかかる事故賠償金
建設環境委員会の「損害賠償の額の決定について」で説明した内容です。

④幼児教育・保育の無償化
今回の補正予算の審査で最も多くの議論がされた部分です。特に、無償化の対象外とされ、実費徴収することとなった給食費の扱いについて質問が集中しました。西東京市では現行の保育料の中に給食費が含まれていますが、無償化後は給食費を実費徴収することになり、年収360万円未満相当世帯および第3子以降は主食費のみ1500円、それ以外は主食費+副食費6000円の負担が生じます。すると、これまで保育料0円だった層と一部階層に負担が増える「逆転現象」が起こります。
この逆転現象にあたる部分の額は半年間で220万円との答弁がありました。対応については「他市の動向を注視する」「市の財政に与える影響を勘案して検討する」という慎重な答弁に終始しましたが、多くの議員が市による対応を求めました。

結果:2号・3号とも賛成全員で可決

令和元年度西東京市介護保険特別会計補正予算(第1号)
文教厚生委員会のところでも触れた、介護保険第1号被保険者の保険料について、低所得高齢者の保険料軽減措置を拡大する内容です。

結果:賛成全員で可決

【6月20日 議会運営委員会】
陳情1件の審査のほか、報告・協議等がありました。

西東京市マスコットキャラクター「いこいーな」の政治活動等への使用を反省し、陳謝することを求める陳情
これについては、調査をしたいという意見が出されたため、継続審査となりました。

その他では、委員会のインターネット中継についての進行予定案が示されました。西東京市では本会議のみがインターネット中継されていましたが、9月議会でのまずは録画中継のみを試行実施、12月議会からはライブ中継と録画中継を実施する予定とのことです。ようやく一歩進んだなというところです。今後、カメラのレイアウトや録画方針といった細かい点を詰めていくとのことです。
委員会の中継は、もちろん第一義的には市民の皆さんに見ていただきたいのですが、議員の立場としてもありがたいのです。というのも、スケジュール上日程が重なって傍聴できない委員会もありますし、自分が出ていても答弁を聞き漏らしたり、後になって振り返りたい場合もあるからです。そういう意味では、議員としても早く実現していただきたいのです。

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