全国地方議会サミット2019~チーム議会が地域をより良くする~その2

8月1日・2日、東京ビッグサイトで開催された「全国地方議会サミット2019」に参加してきました。先日の投稿に続き、後半の報告です。

■首長(滋賀県湖南市長、兵庫県川西市長、京都府京田辺市長)によるパネルディスカッション
◇湖南市長 首長は「独任制」。ポピュリズムになりがちで死票も多く、民主的正統性は比較的低い。対して議会は合議制、すべての議員が必ず違う人から投票されている。合議の持つ意味は大きい。議会のチェックとは週刊紙的なもものではなく、議会全体で決めたことにはみ出していないかをチェックする。議会事務局は戦前には「書記」。庶務的なイメージがある。事務をとって「議会局」でいい。
◇川西市長 市議2期、県議2期を経て市長になった。市民とつくるマニフェスト。年限を区切るもの、4年間でやるものと分けた。マニフェストを掲げて戦う意味は、もし当選した場合を考えて行政が水面下で動き出すこと。議会の権限は大きい。首長がやりたいと思っても修正できる。もっと自信を持ってほしい。市長と議員は意思決定の時間軸が違う。市長は日々卓球をして球を打ち返している感覚。
◇京田辺市長 首長は一人しか通らない。当たり外れがある。議会は多様性の具現化。「チェック」もいいが、議員間でどれだけ話しあっているか。議会としての意思表示をすべき。代表・一般質問ではあまり細かい数字を聞かない方がいい。窓口で聞けばいい話。もっと大局的なことを聞くべき。

■チーム議会の視点から選挙のあり方を考える
公明党岡山市議団の取り組み。市民調査に基づき「岡山市民未来創生プラン」を作り、ローカルマニフェストとして掲げる。市長と定期的なワーキングランチ、議会質問・予算提案を行い、施策の9割以上が実現または前進した。これを受けて他会派も政策提案をするようになる。議員選挙と議会活動が連動しているかが問題。各議員の公約・マニフェストを議会の課題に昇華させるために、議会内での共有、討議の場が必要。選挙公報は常に住民から見える場所に置く必要がある(選挙後も議会HPに掲載など)。

■AI・ICTの活用事例発表
議会ペーパーレス化への取り組み。「Sidebooks」というシステム、2014年5月の逗子市議会から導入が始まり、現在180議会に導入。安城市議会、ICT化のドキュメント動画が掲載。革新的なホームページで一見の価値あり。倉敷市議会HPでは一般公開向けにこのシステムを利用。印刷・配布業務の大幅減ほか、市民への説明時の活躍、すべての資料が手元にあるため審議が深化するといった効用あり。県内事例が3つを超えると導入が加速する。「県内では他にどこがやっているのか?」と聞かれる。

■チーム議会と市民との関係
◇長野県飯綱町議、元飯綱町議会政策サポ―ター
3人の子育て中。政策サポーターに誘われて参加。議員があまりにも自分の意見を真剣に聞いてくれる、逆に自分の意見で町政が動いてしまっていいのか?と心配に。周りにインタビュー、方向性があっているか?と確認した。意見を出すだけでなくもう1つ上のステップへと勧められて町議に。夫が一番の応援団だった。
◇愛知県新城市議、元新城市若者議会議長
1000万の予算を確保して行う若者議会に参加。議員戸の交流会で出会った議員の印象は良かった。消滅可能性都市に指定された危機感。地元への恩返しできればと議員に。仕事しながら若者議会に関わるのは限界を感じた。ブログで毎日発信、まずは情報共有してお互いのことを知るのが大切。
◇岐阜県可児市議会高校生議会、現 立命館大生
高校生・議員・市民が地域課題を話し合って発表。「議員さんも同じ人間なんだ」と感じる。中学時代は全く興味がなかったが、議員が興味を持たせてくれた。チーム議会には市民が必要。地域をよくするのは議会だけじゃない。いい市民を育てていくのは議会(議員)の役割だ。
◇静岡県牧之原市 市民ファシリテーター
市長が対話によるまちづくりを打ち出した。公共施設や防災計画に関してなど。市民ファシリテーターとして300回くらい。議員からは当初反対された。なぜ市民が決めるのかと。マニフェスト大賞受けて変わった。議会+議員との対話を行う。「いい議員を育てる市民」としてやっていきたい。

■国会議員(自民党石破氏、公明党稲津氏、立憲民主党逢坂氏)によるパネルディスカッション
◇石破氏 列島改造、田園都市構想、ふるさと創生、人口増時代に行われてきた。今の地方創生は人口減時代のもの。失敗は許されない。それぞれの地域にジャストフィットした政策はそれぞれの地域にしかわからない。やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、無関心の市民ではダメ。
◇稲津氏 議員力をアップさせる取り組みをしてきた。昨年春に100万人調査。聞く力。総合戦略にもっと地方議員が関わってほしい。
◇逢坂氏 国の制度があるから急いでやるというのでは薄っぺらい政策になる。自分の地域のことを本当に知っているか?常に政策・やりたいことを持っておく。それが当てはまるかどうかで判断するべき。公開の場での議論をもっとすべき。公聴会を開いたり、住民の意見をもっと聞くこと。

大変内容の詰まった2日間でした。取り急ぎのまとめで伝わりにくい部分があるかもしれませんがご容赦ください。西東京市議会では何ができるのか、落とし込んでいきたいと思います。

 

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