補正予算第6号が成立 発熱外来運営支援の延長や市内消費喚起イベントなど

本日7月31日、西東京市議会の臨時会が開催され、今年度に入って6回目となる一般会計補正予算が成立しました。補正予算額は2億9281万8千円。財源には国からの「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を主に充てています。

私はこの補正予算に賛成はしましたが、課題がなかったわけではありません。今回盛り込まれた中からいくつかの事業を取り上げてみたいと思います。

■西東京市医師会発熱外来の運営支援の延長
【概要】4月28日から西東京市医師会が運営している発熱外来について、引き続き来年3月末まで運営支援を継続する。受診対象は、①医師会会員医師からの紹介、②武蔵野徳洲会病院への問い合わせ、のいずれかによる予約制。
【予算】1874万6千円

私は質問で、最近の受診状況、今後さらに感染状況が拡大する中で運営体制は現状のままでよいのか、さらなる体制強化の検討はしているかを尋ねました。6月1日以降の週ごとの受診状況については、以下の通り答弁がありました。
 6月第1週 15名
 6月第2週 21名
 6月第3週 18名
 6月第4週 16名
 6月第5週 18名(~7月第1週)
 7月第2週 25名
 7月第3週 32名
 7月第4週 28名
ご覧の通り、7月に入ってから受診者数が増えていることがわかります。今日も東京都内の感染者数が463名と過去最多を更新しており、加速度的に増えていく可能性も否定できません。しかし、運営体制については「これまでの経緯の中で今の体制でやってきた。現状を維持していく」といった答弁にとどまりました。現状は平日の午後、2時間という限られた運営時間です。必要があればさらなる財政的な支援も躊躇なく行っていただきたいと思います。

また、PCR検査体制については他の委員から質問が多数出ました。しかし、PCR検査は医師会の医療体制の中でやっており、市との契約関係がないので検査件数等の報告は受けていないとのこと。自治体独自で検査拡充をするところもある中、あまりに丸投げの姿勢です。これまでPCR検査は件数を相当絞ってきたわけですが、今後市内の施設等で感染者が見つかった場合は、濃厚接触者の定義にあてはまらない人に対しても幅広く検査を行うこと、さらにエッセンシャルワーカーと言われる人も検査を受けられるような体制が求められます。そこには市も積極的に関与すべきです。

■(仮称)西東京市健康増進ポイントアプリ事業の実施
【概要】歩数計機能を主としたスマートフォンアプリを構築し、日常の中で健康づくりを実践する機会を提供し、市民の取り組みに対してインセンティブを付与する。メインターゲットは20~50代の市民。
【予算】985万7千円

外出自粛による環境変化の中、健康に着目したアプリの構築は健康応援都市である西東京市らしい取り組みであると言えます。しかし、国を挙げて導入を進める接触確認アプリでさえ普及は1割程度という中、いかにして市民に広げていくのか。また既存の市のアプリである「いこいーな西東京ナビ」等との関係をどう考えるかは課題です。
私がどの程度の利用を目指しているのか、数値目標はあるのかと尋ねたのに対し、「今年度は1000人を目指す」との答弁がありました。1000万円近い予算を投じて1000人の登録、市民のわずか0.5%のためのアプリで良いのか疑問です。やる以上は多くの市民に使ってもらえるものとなるよう、考えていただきたいです。

■一店逸品事業等市内消費喚起イベント
【概要】一店逸品事業の認定店を中心に飲食店で使えるプレミアム付チケットを販売。販売額は5000円、プレミアム2000円と、飲食店以外のお店で使える1500円のクーポン券がつく。Web販売2000件、直接販売3000件の計5000人分。購入限度額を設定する予定。実施期間は今年11月から来年1月。
【予算】2430万円

西東京版「Go To Eat」とも言えるような事業です。私からは、次のような質問をしました。

①対象店舗はどう選定するのか
→8月中旬から募集の告知をする。業界ごとのガイドラインを守っているか、東京都の感染防止対策のステッカー(レインボーのもの)の掲示を条件とすることが必要との認識。
②対象5000人とのことだが、より多くの市民に地域の店を知ってもらうという観点からすれば、プレミアムとクーポン券の金額を下げて対象者を増やすという考え方もあるのではないか
→商工会とも検討した結果。現状はこの条件で進めていく。
③市内消費の喚起は重要だが、一方で感染状況も深刻。市が感染を広めるキャンペーンになってはいけない。今後の感染状況で再検討はあり得るか
→今後の感染状況は注視していく必要がある。

感染対策と経済の両立は本当に難しいテーマですが、状況によっては見直すという判断も必要です。また、実施する場合は感染対策が徹底された店舗を対象とすることが不可欠です。事業の実施により市内飲食店等の感染対策が進むような取り組みになってもらいたいと思います。

その他、補正予算に盛り込まれた事業は以下の通りです。

■指定避難所の備蓄品購入
【概要】大規模地震や風水害時に開設する避難施設の備蓄品として、消毒用アルコール、フェイスシールド、サージカルマスク、段ボールベッドなどを購入する。
【予算】1994万2千円

■防災行政無線戸別受信機の配備
【概要】防災行政無線を放送する際、屋内の戸別受信機にも同時放送することにより、高齢者や障害者等の配慮が必要な市民に確実な広報を行う。避難行動要支援者及び災害時要援護者のうち希望者を対象とする(計1万台)。
【予算】1億3148万6千円

■高齢サービス委託事業所等の衛生用品の購入
【概要】高齢者配食サービス事業委託事業所、高齢者手技治療割引券支給事業契約治療院、ねたきり高齢者理・美容券交付事業対象理・美容院、計115か所に手指消毒液、マスクを配布。
【予算】117万5千円

■子供の食の確保緊急対応策事業
【概要】市内の子ども食堂等に対し、食事の提供に必要な経費、クーラーボックス、マスク、消毒液の購入等、食中毒防止対策・感染防止対策等に必要な経費を補助する。
【予算】850万円

■食支援を通じた子どもの見守り強化事業
【概要】市内の子ども食堂、コンビニ、スーパー、金融機関等へ通報マニュアル(チラシ)を配付する。急激な生活困窮に伴う養育困難家庭に対し緊急の食支援を実施するとともに見守りを強化する。
【予算】50万円

■ファミリー・サポート・センター事業、子育てひろば事業の衛生用品の購入
【概要】それぞれの事業でマスク、消毒液、ペーパータオル、手袋等を購入する。
【予算】104万4千円

■新たなビジネスモデル・経営革新チャレンジ支援補助事業
【概要】3者以上の市内事業者等のグループが、新しい生活様式に対応した感染症防止対策及び販路拡大・新サービス展開等のビジネスモデルを実施するための経費を支給する。補助率は10分の9、補助上限額は100万円。事例としては、①テイクアウトなどへの業態転換、②在宅勤務の進展に伴い通信環境を整備したコ・ワーキングスペースの設置、③地域での宅配サービス、④各種教室等のオンラインでの配信、等が挙げられる。
【予算】3396万円

■清掃事業者運営補助事業
【概要】市内の清掃事業者9社、約230人を対象に、事業者からの申請に基づき、感染症拡大防止や熱中症対策に係る物品の購入、作業員への各種手当等を補助する。上限額は従業員数に4万円を乗じた額。
【予算】920万円

■臨時粗大ごみ収集運搬業務委託等
【概要】コロナ禍における粗大ごみの排出増加により、現在受付から収集まで2か月前後要している。その混雑状態を緩和するため、現在の契約とは別に、2か月の期間限定で臨時に粗大ごみの収集運搬について委託契約を結ぶ。
【予算】635万5千円

■東京都貸出タブレット端末整備事業
【概要】東京都から貸与を受けたタブレット400台に学習コンテンツなどの環境を整備し、市内各中学校に計400台を貸し出す。期間は今年10月から来年3月末まで。
【予算】2130万7千円

■小学校校外学習活動事業でのバス借り上げ料の増額
【概要】小学校4年生の校外学習として実施する多摩六都科学館見学の際に使用するバスについて、借り上げ台数を増やすことで三密対策を図る。
【予算】471万5千円

■放課後子供教室の衛生用品の購入
【概要】市内小学校で実施する放課後子供教室において、消毒用品、非接触型体温計、マスク、フェイスシールド等を購入する。
【予算】173万1千円

Twitterでも発信中!

Facebookでも発信中!

PAGE TOP