相次ぐ不適切な事務執行に質疑相次ぐ

昨日は西東京市議会第3回定例会の初日でした。
議会初日というのは議案の上程・付託(今回の議会で話し合う議案はこれです、この委員会で話し合ってもらいます)が主で、何事もなければ午前中で終わるものです。しかし、昨日は夜までかかりました。

①介護保険料の特別徴収(年金からの天引き)処理の誤り
②生活保護受給者への住宅扶助の認定漏れ
③西東京市学校施設適正規模・適正配置に関する基本方針(素案)の誤り
④中央図書館・田無公民館耐震改修工事市民説明会配布資料の誤り

の4点の「ミス」が相次いで発覚したため、①と②については市長から、③と④については教育長からそれぞれ報告があり、それに対する質疑、緊急質問が行われたためです。

ミスに軽重をつけるべきではないかもしれませんが、①と②については直接的に市民に不利益を発生されている点で重大です。特に①の介護保険料の徴収誤りはその対象者が42000人に上り、対象者へのお知らせ、還付の通知書や追加納付書の送付等に900万円弱の新たな予算が必要になるなど、その影響は甚大です。答弁した副市長が、「これまでの40年の行政経験でもない」と言うほどの事態です。

現時点での発表では、追加納付が必要な方は31600人、金額は高い人で40000円、低い人で100円。平均すると1500円で、1000円以下が24000人。還付される方が10400人、金額は高い人で56000円、低い人で100円。平均すると5500円で、1000円以下が2900人とのこと。追加納付が必要な方には10月末に納付書を送り、役所や出張所、コンビニ等で納付してもらう。還付される方には9月末に通知書を送り、指定口座に還付するという流れ。いずれにせよ市民に対し本来必要でなかった手間をかけることになります。状況により納付ができない方には訪問対応も考えているとのことですが、その人件費なども未知数です。

仮に納付されない場合は延滞金がかかってしまうのか、保険給付の停止といったことがあり得るのかといった質問には、そうならないようにしたいと言いつつも、現在国と調整中、照会をかけているといった答弁で、まだ確定的なことを言える状況ではありません。問題解決までにはかなりの期間と労力が必要とされることは間違いないでしょう。

今回、これらの事務処理の誤りに対して厳しい追及があったのは、これが初めてではないからです。実は、ちょうど1年前の9月議会で大問題になったのがまさに「不適切な事務執行」だったのです。この時は、①下水道事業会計予算の説明書に誤りがあった、②教育委員会が特定の会派のみに事前説明を行ったという不適切な内容の公文書を作成した、ということが問題となり、事務処理適正化委員会を設置して再発防止策を庁内に徹底するといったことが行われていました。それがあっての今回だったので、議会としても厳しく追及することになりました。

私は質問の中でも指摘しましたが、ヒューマンエラーを100%防ぐことはできません。しかし、そのエラーは内部でチェックして、外に出る段階までに修正しなければなりません。同様のミスが繰り返されている以上、もはやチェックリストを作るとか、2人で確認していたのを3人にするとか、そういう次元の問題ではないのではないか、思い切って民間から外部人材を入れて業務の進め方や職場環境を変えるなど、これまでにない新たな取り組みをしないと改善しないのではないかと提案しました。

本来はこの先頭に市長、教育長に立ってもらいたいと思うところです。しかし、議席最前列にいても聞き取れないほどのか細い声で(議会外でご自身の関心分野であれば生き生きとお話になれるのですから!)、原稿に目を落として答弁する市長が先頭に立てるのか、本当に心もとないです。その点、教育長はまだご自身の言葉で誠実に答弁しているので救われるのですが…

今後、再発防止への取り組みや、いわゆる「責任の取り方」についても明らかになってくると思います。その時点でまた中身を問うていきたいと思います。

(関連リンク)
令和2年8月分の介護保険料の特別徴収(年金からの天引き)処理の誤りについて(第3報)
生活保護受給者への住宅扶助の認定漏れについて

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