9月18日の市議会本会議冒頭、市長から西東京市長等の給料月額の特例に関する条例が提案されました。介護保険料の特別徴収処理の誤り、生活保護受給者への住宅扶助の認定漏れ、教育委員会が作成した委員会資料および市民説明会資料の誤りにより、市民・議会との信頼関係を損ねたことについての責任を取るため、特別職3名の給料を減額するというもので、具体的には以下の通りです。
市長 給料月額60%カット、5ヶ月
副市長 給料月額50%カット、5ヶ月
教育長 給料月額30%カット、5ヶ月
ちなみに、これまでにも丸山市政では不適切な事務執行による減給が2回行われています。
1回目は平成29年の第1回定例会で、教育費に係る不適切な事務執行と、消防費に係る対応で予算審査に遅延と混乱を招いたという理由で市長、副市長がそれぞれ給料月額20%カット、3ヶ月でした。
2回目は1年前、令和元年度第3回定例会で、下水道事業会計予算説明書の誤り、教育委員会が不適切な文書を出したという理由で市長、副市長、教育長がそれぞれ給料月額10%カット、1ヶ月でした。
これらと比較すると、今回の責任の取り方は減額割合、期間ともにこれまでにない重いものであることがわかります。しかし、この内容となった経緯、理由などを質疑しても、残念ながらその説明は納得できるものではなく、私は反対しました。また、共産、立憲、生活者ネットの各会派と私以外の無所属議員も揃って反対したため、賛成とした自民、公明と対立する形となりました。
まず質疑で確認したのは今回の減給額の理由です。今回の減給の理由となった事案のうち、介護保険料の特別徴収処理の誤りでは、対応のために新たな費用が883.7万円発生しています。今回の減給額の合計は3名合わせて約940万円。つまり、この経費の額ありきで設定したのではないかということです。
質問:今回の減給額は、880万ありきで、逆算して決めたのではないか。本来、起こしたことに対するペナルティと、新たに発生した費用をどう補填するかは別に考えるべきではないか。
答弁:これまでにも不適切な事務処理があり改善されなかったことを重く見た。新たな財政負担があることも判断材料の1つにした。総合的な判断だ。
「総合的に」とは実に便利な言葉ですが、説明にはなっていません。特に、教育長の処分が介護保険料の問題と絡めて決められたとすれば問題です。なぜなら、同じ市役所の中にあるのでわかりづらいのですが、教育委員会は市長をトップとする市長部局からは独立しており、市長部局側の案件、今回で言えば介護保険料の徴収に関して口出ししたり監督する立場にないからです。
教育委員会単体で見れば、昨年不適切な文書を出したことで教育長給料月額10%カット、1ヶ月。今回は資料の誤記載で、2回目であるという点を重く見たとしても、給料月額30%カット、5ヶ月は重すぎます。これを先例とすれば、今後教育長を努める人が、いつ自分に権限のない市長部局で起こった不祥事で責任を取らされるかわかりません。
今回、「たまたま」新たな財政負担額が減給額でまかなえる程度の金額でしたが、もし新たな財政負担が5000万や1億といった金額だったらどうなったのか。あるいは100万で済んでいたらどうなったのか。その疑問に答えるためにも、金額ありきではなく、今回生じた事案に対するペナルティとしてどのような処分がふさわしいのかを考え、その上で財政負担の問題は切り分けて考えるべきだったと思います。
そして、市長の姿勢についても相変わらず疑問です。これまでも、答弁は原稿の棒読み、「市長としての見解」を尋ねても担当部長や課長がかばうように答える場面ばかり。やっと市長が答弁に立ったかと思うと、蚊の鳴くような声で最前列にいても聞き取れない。そんな市長が「先頭に立って汗をかく」などと言うのです。
昨日の質疑では、「先ほど市長は深くおわびすると答弁していたが、一体誰に向かっておわびしたのか。手元の原稿に目を落としていただけではないか。原稿を見るなとは言わないが、せめておわびするときくらい、顔を上げたらどうか。誠意が伝わらない!」と申し上げました。
来年2月には市長選挙があります。このままでいいのか、考えないといけません。