4月11日から、西東京市に新型コロナで一言!と題して市民の皆さんからの意見募集を続けております。この記事の投稿時点で70件余りの声が届いています。多くの皆さんにご協力いただいたことに感謝します。引き続き募集は継続しています。
さて、寄せられる声で非常に多かったのが「感染者の情報をもっと詳しく公開せよ」というものでした。感染経路について、詳細なエリアについて、症状や経過について、等々です。
しかし、残念なことにこれについては今の枠組みでは「できない」というのがお答えになります。なぜできないのかについて、西東京市のホームページでは以下のように説明しています。また4月15日付の市報にもほぼ同様の説明があります。
東京都は、都内感染者数が急増していることを受け、感染者の居住地を区市町村名まで公表することとしました。
感染者のプライバシー等の保護に十分な配慮が必要なことから、公表は市区町村ごとの感染者数までとなり、これ以上の詳細情報について東京都から公表されていません。
これでああそうか、と理解していただけるでしょうか。おそらく納得いかないのではないでしょうか。私もこの説明では十分理解できません。
近隣市では武蔵野市のホームページに掲載されている「武蔵野市内における感染者発生時の公表の考え方(PDF)」の説明が詳しかったので、ご紹介します。
感染者の公表は保健所を所管する自治体は独自で行えますが、保健所を所管していない武蔵野市で感染者が確認された場合は、東京都が感染者からのヒアリングや感染者の公表をすることになっています。このため、市のホームページは都の公表を基に作成しています。
保健所は、都道府県、政令指定都市、特別区の他、中核市で設置でき、東京都の場合、都と特別区、八王子市、町田市が、保健所を設置しています。
西東京市のホームページでもこれくらい丁寧に説明してくれるといいんですけどね。この説明の「武蔵野市」を「西東京市」に読み替えても同じです。つまり、非常に簡単に言うと、
やりたくてもできないんです!
ということになります。私のところに届くご意見でも、「他の自治体ではやっているじゃないか!」という声が多かったのですが、その自治体は公表できる権限があるのです。西東京市にはその権限がない。やりたくてもできない。なお、お隣の新座市では市内感染者の情報を公開していますが、これは新座市が権限を持っているのではなくて、公表の権限を持つ埼玉県が発表したものをそのまま公開しているのです。
ちなみに、市で情報をつかめるものとして、①市施設等で感染が発生した場合、②市施設等の利用者等が感染した場合、③市職員等が感染した場合、には必要な情報を公表するとしています。
市内における感染者発生時の公表の考え方(PDF)
ここまでご説明して、理屈は分かったが、それでも公開すべきだ!というご意見もあると思います。
私としては、年代や、現在の症状や経過等、可能な範囲での情報提供は都に対して求めていくべきだと思いますが、より具体的に発生場所を特定する情報(○○町のような)は慎重に扱うべきだと思っています。個人の特定につながるような詮索や噂につながる危険性があるからです。
もとより、東京都内のみならず全国的に感染者数が増加する今にあっては、どの町でコロナが出た、どの町では出ていないと特定していくことはあまり意味を持たなくなっています。自分自身も含めて、誰もが感染している可能性があるという意識を持っていただきたいと思います。
そして、そのような状況であるからこそ、耳にタコができるほど聞いているとは思いますが、咳エチケット、こまめな手洗い、外出の自粛、3つの密を避ける行動等、感染症対策の徹底をお願いいたします。