文教厚生委員会の視察で尼崎市・堺市へ

最近はコロナ禍で中止されていた様々な行事が再開されていますが、市議会でも中止されていた宿泊を伴う行政視察が今年度から再開されました。私の所属する文教厚生委員会では、11月1日・2日の2日間、兵庫県尼崎市と大阪府堺市を視察してきました。

尼崎市の視察は、ユース交流センターについて。「やりたいをやろう」をコンセプトに、令和元年10月1日にオープンしたユース交流センターは、オープンラウンジ、音楽スタジオ、ホールなどからなる活動の拠点「あまぽーと」と、図書コーナー、青少年学習室、多目的室などからなる学びの拠点「アマブラリ」という2つの施設からなっています。

 

視察当日も、ビリヤード台や漫画などが置かれたラウンジで思い思いに過ごしたり、学習室で勉強する中高生世代くらいの若者の姿がありました。

こうした居場所づくりは必ずしも珍しいものではありませんが、特徴的なのはユースカウンシルという、若者が自分たちで自分たちのまちをつくっていこうという取り組みが行われていることです。

おおむね14歳~29歳を対象に毎年12月頃に「Up to You!」のメンバーを募集。それぞれのメンバーが「校則見直し」「ポイ捨てする人を減らす」「ヤングケアラー支援」など、自分自身が取り組むテーマを決め、市の担当部署や民間団体などへの調査活動をし、翌年8月に市長をはじめとする行政に向けてプレゼンを行い、課題解決に向けて活動をしていきます。

必要な資金はクラウドファンディングでの調達、市からの補助金を得ていくほか、市が必要性を感じて市の事業として実施していく可能性もあるとのこと。また、「叶う・叶わないではなく、自分たちが声を上げたら聞いてくれる。大人が対応してくれる」という感覚が大切だという話があり、まったくその通りだと感じました。

単に若者の声を聞いて終わり、言いっぱなしで終わりではなく、行政とも協働しながら自分たちが主体になって課題解決していくところまでやる、そこに大きな意味があると感じました。

堺市の視察は、ひとり親家庭応援フードパントリー事業について。この事業の最大の特徴は、児童扶養手当の支給区分が「全部支給から一部支給になった方」「全部停止の方」という、所得が増えた方を対象にしているという点です。

どうしてもこうした食料支援というと、低所得者向けではないのか?というイメージを持ってしまうのですが、「働いて収入が増えたのに、手当などが削られて辛い。がんばったら損なのではないか」という思いを持つひとり親に対し、お金を給付はできないが、応援の気持ちを伝えたいという趣旨で行われているとのこと。なるほど、そういう考えがあったかと気づかされるような事業です。

食料をお渡しするという形ではあるが、それ自体が目的というよりも、お渡しする際に職員からの声かけを行い、相談につなげる、ひとり親の不安や孤独感を解消するといった目的が大きいということを説明していただきました。

また、これ以外にも福祉、雇用、教育といった組織横断的な「子どもの未来応援チーム」を令和3年度に設置し、経済的自立に向けた仕事のサポートをはじめ様々な事業を実施していることもご紹介いただきました。

堺市では、あわせて議場と展望ロビーも見学させていただきました。展望ロビーからもいくつか見えたのですが、市内には44基の古墳があるとのことで、改めて時間をとって訪問してみたいなと思いました。

政治家の視察はとかく批判されがちで、中にはただの観光旅行ではないかと疑われるようなものもあるのかもしれません。しかし、直接現地に行って実際の施設や事業の様子を見たり、担当者の熱意に触れたりすることは、視察の大きな意義だと思います。そして、見たこと感じたことを市民にもしっかり説明することが求められていると思います。

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