以前の記事でも触れましたが、現在西東京市は田無公民館・中央図書館を現在の市民会館の場所へ移して3館を「合築複合化」しようとしています。市庁舎の統合を先送りし、暫定的に今の保谷庁舎にある機能を田無庁舎周辺に集めるために、いわば公民館・図書館を「追い出し」た形です。多くの市民にとっては、市役所の場所よりも日々利用する公民館や図書館がどうなるかの方が切実です。
このような市民生活にとって切実な問題が、ほとんど市民に知らされないまま既定路線として進んでいます。すでに新たな合築複合化施設の基本プランを考える「懇談会」は先日10月19日までに4回開かれており、市民説明会やパブリックコメントを経て、年度内にはプランを策定するという予定で進行しているのです。
私は10月19日の懇談会を傍聴しましたが、委員の中からも「どう考えても3つを1つにはできっこない」と疑問の声が上がる中、学識経験者として選ばれた座長を中心に、何としても案を作ろうと進められています。
しかし、この流れには議会からも待ったがかかっています。9月議会において、「市民会館、中央図書館・田無公民館合築複合化については、時間をかけ慎重に検討することを求める決議」が賛成多数で可決されたのです。拙速に議論を進めてはならないことは明らかです。
さらに、現在市が進めている方針通りに事が進めば、平成32年には田無駅南口から公民館・図書館がなくなり、平成45年には「新たな用地」の統合庁舎に移るために市役所もなくなるのです。「旧田無」といったつまらないエゴを抜きにして、せっかく駅に近接した立地から市の施設が次々になくなってしまいます。これは西東京市にとって大きな損失であると考えます。
施設の「適正配置」という観点で考えても、田無駅南部地区から公民館・図書館が消えることは問題です。現在の市民会館の場所へアクセスするには、単純な距離的な問題だけでなく、交通量が多く道幅の狭い府中道を通り、総合病院前の歩道が非常に狭い踏切を渡らなければなりません。はなバスを利用してのアクセスも困難となり、利便性の低下は明らかです。駅から続く線路沿いの道も、シチズン方向への抜け道で一方通行ですが交通量が比較的多く、危険です。
知らなかったでは済まされない問題が進行しています。市民がしっかりと関心を持つことが大切ですし、私もできる限りの発信をしていきたいと思います。なお、「合築複合化基本プラン策定懇談会」の次回以降の審議会日程は以下のように決定しています。場所は田無庁舎とのことです。傍聴可能ですので是非行きましょう。
第5回 11月12日(木)午後6時~8時
第6回 11月27日(金)午後6時~8時