4月23日、24日の日程で、滋賀県長浜市と三重県亀山市を視察してきました。議会運営委員会としての視察だったのですが、委員外の議員も含めて希望者は参加可能という形になり、議員18名での視察となりました。
初日の滋賀県長浜市では、議会活性化に向けた取組についてと題し、予算の審査方法、反問権の導入と運用指針、議会BCPの策定、傍聴しやすい環境づくりなど、多岐にわたる内容を説明していただきました。
反問とは、市長等が議員の質問に対して、質問の意図や出典等について確認するために行うもの。「反論」とは違います。長浜市議会では、ここ最近では令和5年9月に2回、令和6年3月に4回行使されており、市長が替わったことをきっかけに増えていると言います。その背景には、質問通告を詳しくする一方、事前の取材、調整を控えて、緊張感のある議会の議論を目指していることがあるようです。
西東京市議会の場合、本会議の代表質問、一般質問では事前に担当課と細かくすり合わせることが多く、答弁も手元のメモを見ながらという場面が多いです。これが必ずしも悪いとは言いませんが、質問内容によっては手の内を明かしすぎず、ぶっつけ本番で議論する場面も必要かもしれません。
聴覚障害の方など、どなたでも傍聴できる環境の整備のため、リアルタイムで音声が文字データとなって表示されるシステムも導入しているとのことでしたが、議場が改修中で実際に見られなかったのは残念でした。
2日目の三重県亀山市では、予算・決算審査の方法、議会改革推進会議の取組、インターネット中継やケーブルテレビでの議会報告番組の放映など、初日に続けて多岐にわたる内容を聞きました。
予算・決算の審査においては、当初予算と決算については委員会全体で審査する一方、補正予算の審査では、3つの分科会で詳細な審査を行った後、全体の委員会で分科会会長が審査内容を報告し、質疑を受けるといった進め方をしていると説明がありました。こうした分科会方式は前日の長浜市でも採用されていましたが、少人数でより専門的に深めた審査が期待できる一方、分野横断的な議論、予算全体を俯瞰した議論が難しくなるのではという懸念も感じました。
亀山市議会で目から鱗だったのは、常任委員会においても、議案や陳情等の審査の後、委員会の所管する範囲であれば自由に一般質問ができる機会があるということです。西東京市議会の場合、というか多くの議会がそうではないかと思うのですが、議案等に関係なく市政について質問する機会としては本会議の一般質問の場になるので、常任委員会でも一般質問があるというのは驚きでした。
2日間の視察を通じて、同じ「議会」であっても、こうも違うところがあるのかと驚くことが多々ありました。
現状の西東京市議会と比較して考えた時に、どういった要素を取り入れていけるのか、場合によってはそぐわないのかについては、今後議会運営委員会の中で議論していく必要があると思います。
最後に余談ですが、長浜市から亀山市への移動は2回乗り換えを挟んでのローカル列車の旅でした。移動が長くて大変だったという方が多いのかもしれないのですが、私にとってはこちらもワクワクする時間になりました(笑)