3月1日(月)、2日(火)の2日間にわたり、市長選挙後初の臨時会の場で、池澤市長と選挙管理委員会に対する「緊急質問」が行われました。緊急質問とは、文字通り緊急性がある内容について、議会運営委員会の場で認められれば質問ができるというもの。実は2月26日(金)に行われるはずだったのですが、通告書の提出日が書かれていない、受領日時が書かれていないなどの不備や質問順を巡って紛糾し、日程が延びました。その詳細は本題から外れるので割愛します。
今回質問したのは、質問順に以下の16名。これほど多くの議員が緊急質問するのはおそらく過去に例がありません。通告はすべて「市長選挙について」です。
①自民・中川議員、②公明・大林議員、③共産・藤岡議員、④立憲・森しんいち議員、⑤ネット・後藤議員、⑥無所属・納田議員、⑦無所属・田村、⑧無所属・森てるお議員、⑨自民・山田議員、⑩公明・藤田議員、⑪ネット・かとう議員、⑫自民・浜中議員、⑬公明・佐藤公男議員、⑭自民・酒井議員、⑮自民・稲垣議員、⑯自民・小林議員
「ワクチン接種について」や「市内経済の応援について」など、市長選挙に関係ないとは言わないものの、それ緊急性あるか?という感じの質問もちらほらありましたが、多くの議員の質問は、池澤氏を支援した確認団体「明日の西東京を創る会」が発行した法定ビラ第2号に関する内容となりました。
このうち、3月2日(火)のトップバッターとして質問した私の質疑をご紹介します。
リンク:西東京市議会インターネット中継
0分38秒~質問
21分48秒~市長答弁
30分10秒~選管答弁
30分37秒~再質問
43分35秒~市長答弁
36分15秒~が個人的ハイライト
「ビラの考えと市長の考えは一致しないという重要な答弁があった。自分の考えと違うチラシが確認団体によって撒かれたのなら、市長はふざけるなと言ったらどうか。なぜ言えないのか。市長自身がこの考え方を受け入れて、認めていたんじゃないですか?」
ポイントをまとめると、
・ビラの内容については選挙期間中に知っていた
・ビラの考えと自分の考えは一致しない
・止める判断もあったと反省している
・二度としてはならないという考え
というものです。
■池澤市長への質問
【ビラを見た時期】
田村:完成したビラを見たのはいつだったのか。
市長:期間中、駅頭で市民からこんなビラが撒かれたと指摘され、その日の20時過ぎに現物を事務所で見た。
【選対会議への関与】
田村:選挙戦術を考えるのは選対会議。市長はこれに出なかったのか。
市長:選挙期間中は出ていない。選挙前は出ている。
【ビラの考えと市長の考え】
田村:ビラに書かれている考えと市長の考えは一致するのか。
市長:政策を訴えたいと言ってきた。その点では一致していない。
田村:市長の考えと違うビラが出たのなら、(発行元の)確認団体に勝手なことするなと怒るべき。
市長:確認団体とも話した。市民におわびしたいということは伝えた。
【おわびの理由と市長の責任】
田村:自分が関わらない確認団体が出したのになぜおわびするのか。市長にも何らかの責任があると思うからか。
市長:確認団体が支援したい候補者として自分が同意した以上、自分にも責任がある。
【謝罪の方法と相手】
田村:市民への謝罪についてどのような方法を考えているか。平井竜一氏にも謝罪するのか。
市長:具体的な方法はこれから考える。平井氏についても当然そのような対応をしっかりする。
【市民の分断という結果】
田村:記者会見で「市民を二分する結果になった」と発言した。選挙中からそうなるとわかってやったのか。
市長:支援体制が二分されていたので一定程度この結果は予想していた。
田村:予想していたのになぜやったのか。
市長:止める判断もあったと今になって深く反省している。
【勝ちたかった理由】
田村:そこまでして勝ちたかったのか。平井氏になったらどうなってしまうと思ったか。
市長:結果が変わる可能性はあったと思う。そうなったら結果に従っていくという考え。
【傷ついた若者へ】
田村:18歳の娘さんを持つ母親から、娘も「あり得ない」と言っているとメールが。どんな声をかけるか。
市長:心からおわびしたい。
【過去のネガティブキャンペーンの事例】
田村:2009年の議会で自民党議員が「こういうやり方は遺恨を残す」と発言。池澤市長も議場で聞いていたではないか。
市長:当時3列目の席で聞いていた。やり取りは覚えている。
【今後の決意】
田村:気が早いが仮に2期目に挑戦するとして、もうこうしたことはしないと表明を。
市長:2期目についてはわからない部分だが、二度としてはならないという考えだ。
■選挙管理委員会への質問
【問い合わせ件数】
田村:ビラに関する問い合わせは何件くらいあるのか。肯定的、否定的、それぞれの件数は。
選管:ビラについての問い合わせは50~60件、すべてが否定的な意見である。
さらに、今回平井氏を応援した市議の中で最後に質問に立った生活者ネットワークのかとう涼子議員の質疑で、「完成前のものだがキャッチコピーについても見ていた」、なぜ止められなかったかについては、「市民のことを考えて動く判断力が欠けていた」という驚くべき答弁が出てきました。リーダーとして本当に大丈夫なのか?と思ってしまうような答弁でした。
今回、平井氏を支援した議員同士は、それぞれが連携し、前の質問者が聞いたことを基に後の質問者が深めていくという手法で、少しずつ核心に迫っていくことができたと思います。このようなやり方は、今後も継続していければと感じました。
一方、一部の自民党議員は過去の西東京市長選挙、市議会議員選挙における「ネガティブキャンペーン」の事例を引き合いに出し、「選挙はいくさだ」「あの時もひどかった」といった主張をしていました。だからと言って、今回の法定ビラが認められるわけでは当然ありません。このようなことが今回を最後に繰り返されないことを願います。
【ネット署名にご協力を!】
池澤市長はおわびの意思は示しましたが、市民への具体的な謝罪についてはこれから考えるとしています。今回のやり方は許せない!という皆さんの思いを引き続きネット署名という形でお寄せください。西東京市民に限らず、どなたでも署名していただけます。
リンク:change.org ネガキャン選挙を許さない!民主主義の危機を招いた西東京市新市長に強く抗議する