おなじみの議決結果一覧と委員会審査報告です。9月議会は「後半戦」とも言える決算関連の審査が続いていますが、その他の議案は9月14日の本会議で議決されていますので、その分の報告をします。
議決結果が大きく分かれたのは、議員提出議案の「国民の命と暮らしを守る新型コロナウイルス感染症対策の実施を求める意見書」と、「核兵器禁止条約の署名、批准を日本政府に要請する意見書提出に関する陳情」です。いずれも自民・公明の反対により否決、不採択となりました。また、旧西東京市民会館の解体工事に関する「議案第57号 工事請負契約の締結について」は、入札の結果決まった契約の相手方が、昨年府中市の官製談合事件に関わった業者であったことから、指名停止期間を過ぎていたとはいえ問題ではないかとの意見があり、判断が分かれました。
以下、各委員会の審査状況です。なお、委員会での採決結果はあくまでも委員会としての結果であり、最終的な議決は本会議で行います。但し、会派人数のバランスは委員会と本会議でほぼ同様のため、委員会の結果と本会議の結果が逆転することはほとんどありません。
【9月3日 企画総務委員会】
私が所属する委員会です。議案第56号から58号まで、解体工事の案件が3件続きました。
議案第55号 工事請負契約の締結について
田無庁舎空調設備改修工事の契約です。契約締結後、令和6年3月にかけて、田無庁舎事務棟と議会棟の空調設備工事を順次行っていくとのことです。
私からは、これによる空調の省エネ効果について質問。CO2、エネルギー消費量共に40%程度の削減になるとの答弁がありました。その他、入札の競争性について、窓口業務への影響について質問がありました。
結果:賛成全員で同意
議案第56号 工事請負契約の締結について
保谷庁舎解体工事の契約です。契約締結後、令和4年7月にかけて実施されます。
私からは、市内業者の入札状況、入札結果の「無効」とはどういう意味か、令和4年5月から7月までは仮囲いの位置がこもれびホールまで広がっており、ロータリーからこもれびホールの横を通り防災センターに抜けられなくなるのかといった質問をしました。その他、最低制限価格の設定について、アスベスト対策について質問がありました。
結果:賛成全員で同意
議案第57号 工事請負契約の締結について
旧西東京市民会館解体工事の契約です。契約締結後、令和4年7月にかけて実施されます。
私からは、騒音対策について質問し、防音パネルの設置や騒音振動計により数値を報告させるといった説明がありました。この後の質疑で、落札した池田土木株式会社が、昨年6月に府中市で起こった官製談合事件の当事者であることが指摘され、問題はないのかという議論になりました。市側からは、西東京市でも事件を受けて6ヶ月の指名停止としたが、昨年12月1日に指名停止の期間が明けており、社長も交代して会社は再出発している、会社の立て直しを阻害する過度のペナルティは適当ではないと考えた、といった内容の答弁がありました。
私としては、確かに重大な事件を起こした当事者であり、不安がないとは言えないものの、指名停止の期間が過ぎ、入札手続きに沿って落札した経過を踏まえれば、事後にその結果を否定するのは難しいと考えて同意することにしました。担当課には、今後計画通り工事が履行されるか、しっかりチェックすることを求めたいと思います。
結果:賛成多数で同意(共産党の保谷清子委員は反対)
参考リンク:朝日新聞デジタル「府中市で官製談合容疑、市幹部と2市議逮捕 価格漏出か」
議案第58号 工事請負契約の締結について
ひばりが丘中学校解体工事の契約です。契約締結後、令和5年3月にかけて実施されます。
私からは、保谷庁舎や旧市民会館に比べて工期が長い理由を質問し、道路付けが悪く搬入経路が長い、住宅街の中の工事であるため期間を長くとっているとの答弁がありました。加えて、具体的な搬入搬出経路について、近隣への説明会予定があるのか等を質問しました。その他、今回議案となっている解体工事がいずれも落札率が低いがなぜか、といった質問がありました。
結果:賛成全員で同意
議案第64号 西東京市職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例
市職員が「憲法を尊重し擁護することを誓う」「全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する」とといった宣誓書にサインする際、押印を廃止するというものです。
結果:賛成全員で可決
議案第65号 西東京市一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
部長級職員の給料を定額化し、号給を区分せず単一の号給とする内容でしたが、若くして部長になった職員、これから部長を目指す職員のモチベーションに影響があるのではないか、期末・勤勉手当でフォローするというのであれば、セットで提案すべきではないかといった意見が出され、閉会中の継続審査とすることになりました。
その後、この条例の施行期日が令和3年10月1日となっており、それまでに見直すことが難しいことから、一旦取り下げるということになりました。一度提出した議案を取り下げるというケースは、あまり例のないことです。
議案第66号 西東京市市税条例等の一部を改正する条例
地方税法等の改正に伴い、個人住民税関係では非課税限度額における国外居住親族の取り扱いの見直し、特定公益増進法人等に対する寄附金制度における寄附金の範囲の見直し、セルフメディケーション税制の延長などを行うものです。
結果:賛成全員で可決
議案第70号 西東京市固定資産評価審査委員会条例の一部を改正する条例
行政手続きの簡素化を図るための押印等の見直しに伴い、規定を整備するものです。
結果:賛成全員で可決
リンク:企画総務委員会(令和3年9月3日①午前)YouTube 議案第55号~第57号の質疑まで
リンク:企画総務委員会(令和3年9月3日②午後)YouTube 議案第57号の討論~第65号の討論まで
リンク:企画総務委員会(令和3年9月3日③午後)YouTube 議案第65号の取り扱い~議案第70号まで
【9月3日 建設環境委員会】
議案第68号 西東京市における地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例
東大生態調和農学機構周辺地区整備計画区域の建築物の用途や高さの制限といった規定を整備するものです。「新街区A地区」と「新街区C地区」に関する規定が追加されるなどの内容です。
委員からは、建築してはいけないものはわかったが、逆に建ててよいものは何なのか、最低敷地面積設定の考え方は、市民説明会の状況はといった質問がありました。市としては、学校、病院、子育て施設、高齢者施設といった公共公益施設を誘導したいという答弁がありました。
結果:賛成全員で可決
陳情第28号 気候変動対策に関する陳情
ゼロカーボンシティ宣言を発表し、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを市の目標に掲げること等を求める陳情です。
執行部からは、市長がゼロカーボンシティ宣言することを目指すと第2回定例会で表明している、国の目標を踏まえて2030年までの中間目標を掲げることは重要と考えている、すでに利用している電力には再生可能エネルギー由来のものが一部含まれており、今後上げていくことを検討している、電力調達にかかる環境配慮方針で、再生可能エネルギーの導入状況を必須条件とする改定を予定しているといった説明がありました。
委員からは、現在の再生可能エネルギーの割合、全国の宣言自治体数、庁内の推進体制などの質問が出ました。バックキャスティングで進めることが重要だという指摘もありました。
陳情内容が国の目標、市の方向性に沿うものだったこともあり、全員が賛成という結果となりました。
結果:賛成全員で採択
【9月6日 文教厚生委員会】
議案第67号 西東京市市民交流施設条例の一部を改正する条例
新町市民集会所を今年12月で所有者に返還し、廃止することによる改正です。
委員からは、返還の経緯や理由、代替施設の状況について質問がありました。また、市民交流施設が西東京市となってから減らされている状況について、今後の在り方をどう考えるのかを問う質問もありました。
結果:賛成全員で可決
議案第69号 西東京市立学校施設使用条例の一部を改正する条例
ひばりが丘中学校の使用料について、体育館は市外利用者1000円、市内利用者500円などと定めるものです。
委員からは、今後築年数が経過したら無料にするのか、体育館に空調が入ったので他の学校の原価計算も変わってくるのではないかといった質問がありました。市側からは、今後金額を精査して考えていくが、単純にお金がかかるから上げるというのは社会教育施設にはなじまない、といった答弁がありました。
結果:賛成全員で可決
陳情第26号 原爆暦77年8、9月に開催されるパラリンピックを返上・即時中止する事に関する陳情
パラリンピック開催を即時返上・中止するよう意見書等の提出を求めるものです。
委員からは、事前に審査する機会があれば中止と申し上げたかったが、すでに閉会後で時機を逸してしまったという意見がありました。※委員会開催日前日がパラリンピック閉会式
結果:賛成なしで不採択
陳情第27号 核兵器禁止条約の署名、批准を日本政府に要請する意見書提出に関する陳情
核兵器禁止条約に直ちに調印、批准し、唯一の戦争被爆国として核兵器全面禁止・廃絶責務を果たすよう意見書の提出を求めるものです。
委員からは、すでに全国で600近い地方議会が同様の意見書を採択している、西東京市は非核・平和宣言都市であり、議会としてもそれに準じた動きをすべきだという賛成意見が出され、反対意見はなかったのですが、採決結果は賛成少数という結果になりました。
結果:賛成少数で不採択(賛成3:中村-共産、森しんいち-立憲、森てるお-無所属 反対5:小林-自民、中川-自民、冨永-自民、小幡-公明、大林-公明)
所管事務調査 介護保険料特別徴収の処理の対応状況について
資料に沿って対応状況の報告がありました。今後のスケジュール、相続人がいない場合の対応、池澤市長になってからの市長の対応、システムの改善、人員体制やかかった経費等について質問がありました。
【9月7日 予算特別委員会】
議案第59号 令和3年度西東京市一般会計補正予算(第4号)
議案第60号 令和3年度西東京市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)
議案第61号 令和3年度西東京市駐車場事業特別会計補正予算(第1号)
議案第62号 令和3年度西東京市介護保険特別会計補正予算(第1号)
議案第63号 令和3年度西東京市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)
健康情報システムの修正委託料、こもれびホールやスポーツ施設休館に伴う営業補償費などが主な内容でした。それ自体に問題は感じませんでしたが、新型コロナウイルスの感染第5波の真っただ中に編成された補正予算であり、なぜコロナ対策に関連するものが入っていないのかということを私をはじめ何人かが質問しました。本予算の成立が6月議会で、その後の新たな需要が少なかったこと、昨年度から繰り越しているワクチン接種やプレミアム応援券事業などがあるので、まずはそちらを実施するといった答弁でした。
補正予算に挙げられている内容自体に反対するところはないので賛成としましたが、国や都からの補助金、交付金がなければ何もしないということでは困る、今は災害に匹敵する状況であり、必要であれば市の財源を使ってでも市民生活を支えてほしいと要望しました。
結果:すべて賛成全員で可決
※録画中継はありません。
【9月8日 企画総務委員会】
所管事務調査 事務処理適正化の取組について
9月3日に行う予定でしたが、議案審査の時間が押したため、9月8日に日程を改めて行われました。
私からは、市長、副市長が代わってから職員に対し事務処理適正化について何らかの通達等があったのか、他自治体の改善取り組みを参考にしたことはあるか、職場の雰囲気づくりやチームビルディングについてどう考えるかといった質問をしました。市長からは就任後に全職員に対して心がまえ等についてメール発信するなどしているとのことだったので、その内容を資料として提示するよう求めました。また、他市において外部の学識経験者、弁護士、税理士が事務処理ミス対策について効果的なものかどうか検証する取り組みを行っており、参考にしてはどうかと提案しました。
この他、別の委員の質問に対しては、「組織の力がゆっくりと時間をかけて落ちてきている」とする一方、「職員個々の力が落ちているとは思っていない」といった答弁がありました。