2月25日(金)、西東京市議会の第1回定例会が開会しました。初日は議案の上程といって、その議会中に議決を求める議案が説明され、どの委員会で話し合うかを決めるのですが、緊急性等の点から「初日先議」として、委員会に付託せずに本会議で決定するというタイプの議案があります。その採決で、自民・公明と私が賛成し、他が反対または退席という構図的には珍しい状況になりました。
問題の議案は「議案第21号 工事請負契約の変更について」です。解体中の旧西東京市民会館で、当初の想定を上回る特定建築材料(アスベスト)が見つかったため、契約内容を次のように変更するものです。
①契約金額を「2億5504万8492円」から「2億8474万6000円」に(2969万7508円の増)
②工期を「令和4年7月29日まで」から「令和4年9月30日まで」に(約2か月の延伸)
解体後の跡地活用の計画はすでに決まっており、令和6年4月に健診センターやクリニック、公共施設からなる施設がオープンする予定ですが、2か月の延伸であれば影響がないことを事業者に確認したとの説明です。
参考リンク―西東京市Web 西東京市民会館跡地活用事業者選定結果
これだけ聞けば、必要な変更かなと考えていたのですが、当日大きな議論になったのは、当初の説明資料にはなかった契約金額の内訳が記された追加資料です。これにより、工事の延伸期間について3か月案と2か月案があり、期間を1か月短縮するために必要な解体工事の工法変更の経費が、契約金額の半分以上を占めていることがわかりました。3か月延伸案と、2か月延伸案を比べると、工法変更を伴わない3か月延伸案の方が、945万8000円安くなっているのです。そのため、議論は945万円かけて1か月短縮する必要があるのか、という点に集中しました。また、アスベスト除去の費用のみを先に審査し、その後の解体工事の工法変更については分けて審査すべきとの意見も出ました。
市の説明は、
・周辺住民への影響、安全性、跡地活用への影響を最小限にする観点から工期を短縮する方法がないか考えた。コロナの影響で遅れてしまった市民活動の場を早く提供したい。
・アスベスト除去に伴って工期を変更しなければならず、契約は一体のものと考えている。
といったものでした。
これに対し各会派の議員から、以下のような質問や意見が出ました。
・アスベストと言えば議員は驚いて認めると思っていたのか。提案の仕方に問題がある。
・1か月のために945万円も使うのはおかしい。
・3か月延伸だとその後の跡地活用に影響するというのは事業者の言いなりではないか。
・不可抗力であり、説明すればオープンが1か月延びても市民は納得するはずだ。
・どうしても今日決めなければならないのか。時間をかけるべきだ。
・たとえ市民から苦情が出ていないとしても、工期の変更は最小限にとどめるのが当然だ。
・市は令和6年4月に施設オープンと条件を付けて跡地活用事業者を募集した。市の責任で解体が延び、予定通り進められなければ損害賠償請求といった可能性もあるのでは。
私は大変悩んだのですが、解体中の建物が長く放置されてしまう危険性と、跡地活用を行う事業者への影響を考えると、やむを得ない内容だと考えて賛成の立場を取りました。非常に難しい判断でした。
一方、当初示された資料では契約金額の詳細な内訳が明示されておらず、議員の求めによって追加資料として詳細が示される形となったことは、執行部の提案の仕方に問題ありと考えており、この点は指摘しておきたいと思います。