9月11日、12日の2日間で、一般会計補正予算(第4号)の審査が行われました。この審査で最も多くの議員が質問に取り上げ、時間を割いたのが東小学校の教室等転用改修工事でした。
この工事は、東小学校の特別支援学級に通う児童が増加したことにより来年4月から必要となる特別支援学級と通常学級の教室確保、普通教室等の学習環境の整備を目的に行われるものです。相談室を新たに特別支援学級の教室に改修、家庭科室を通常学級の教室に改修し、1階にあり出入り口が1つしかなく、暗いと指摘されていた6年1組の教室を移します。
今回、多くの議員が問題と指摘したのは、3月の第1回定例会で今年度の当初予算の審査をした際には、特別支援学級の学級増を東小学校内で解決することは難しく、緊急対応として住吉小学校に特別支援学級を開設する、というプランだったことです。今回の委員会での説明によれば、この「住吉プラン」を含んだ当初予算が議決されたわずか1週間後、教育長が東小学校を訪れ、東小学校の自校内で解決できないか改めて指示をし、東小学校の改修案がまとまったとのことです。
東小学校をめぐる経過
令和5年度2学期に特別支援学級7名の転学、3学期に1名の転学。計8名(1クラス分)に
令和5年12月22日 令和7年度に教室不足が生じることを教育委員会が認知
東小学校敷地内での対応、通学区域内の他校での対応について検討
令和6年2月1日 住吉小学校に特別支援学級を新規開設する方針を決定
令和6年3月26日 関連する費用を盛り込んだ令和6年度当初予算が成立
令和6年4月1日 新教育長に後藤彰氏が就任
令和6年4月4日 後藤教育長が東小学校訪問。東小学校内での解決可能性の再検討を指示
令和6年7月29日 東小学校の改修案を教育部内で決定、市長に提示
令和6年9月2日 住吉小学校に特別支援学級を開設する費用を削除、新たに東小学校の改修工事にかかる費用を盛り込んだ補正予算を議会に上程
こうした経過に対し、「なぜ当初予算の提案の段階では東小学校内での解決は難しいと結論付けたのか」「議決の重みをどのように認識しているのか」など、厳しい追及が相次ぎました。
そして、今回提示された東小学校の改修案そのものにも大きな課題がありました。教室不足に対応するために様々な部屋を玉突きで改修する結果、家庭科室がなくなってしまうのです。そのため、家庭科室を使う際は明保中学校に移動するとのことです。
東小と明保中は近接しているとはいえ、移動には時間がかかります。1・2時間目を家庭科にして、朝は明保中に登校して朝の会を行う、といった考えも示されましたが、課題はないのでしょうか。必要な荷物を家から持っていくのか、普段の通学経路とは違うことでの安全対策は大丈夫か、など心配は尽きません。
納得のいかない答弁が続く中、教育長から特別支援教育に対する思いが語られ、学びの継続性、急激な環境の変化を避けるといった観点から自校内での対応を検討するよう指示した、という経緯が語られ、その考え方自体には多くの議員が納得したところですが、もっと早い段階で対応していれば、今回のようなドタバタ劇にはならなかったはず、という思いは残ります。
採決では「挙手全員」という結果に終わりましたが、その結果では表せないほど課題が山積しています。