毎度おなじみの議決結果一覧と委員会審査報告です。
第2回定例会は6月3日から23日までの21日間の会期で行われました。当初の予定は5日からの19日間だったのですが、新型コロナウイルス感染症に関連した補正予算の審査のため2日前倒しでの開催となりました。
会期中に補正予算が3回にわたって提出されたため、検討するポイントは多かったですが、大きく対立するような案件はなく、議会運営という面では平穏に終わったと言えるかもしれません。本会議での議決結果は以下の通りです。
賛否が分かれたのは意見書です。意見書というのは、市では解決できないような問題について、国や東京都に対して議会の意思として意見するというものです。他の議案と同様に、過半数の賛成があれば成立します。
「教育現場への教職員加配などの財源確保を求める意見書」と「自家増殖を原則禁止する種苗法改正を取りやめることを求める意見書」は賛成少数のため否決されました。「日本国民の基本的人権を守るため、北朝鮮による拉致事件の背景を含めた再調査を求める意見書」は全会一致で可決されました。
以下は、各委員会での審査報告です。
【6月3日 予算特別委員会】
西東京市パパママ応援事業、市内事業者応援資金助成事業、小中学生の家庭におけるオンライン学習の支援を盛り込んだ令和2年度西東京市一般会計補正予算(第3号)が審査されました。
詳細はこちらの記事をご覧ください
結果:賛成全員で可決
【6月12日 企画総務委員会】
議案1件が審査されました。
委員会の様子はこちらのYouTubeページからどうぞ。
西東京市手数料条例の一部を改正する条例
デジタル手続法の施行により個人番号通知カードが廃止されたため、関連する項目を削除する、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の改正により、省エネ機能の誘導措置が追加・拡充されたことから新たな料金設定を追加する、という内容です。個人番号通知カード廃止による市民への不利益はあるのか、今後出生等で発行される個人番号通知書はどのようなものかといった質疑がありました。
結果:賛成全員で可決
議案はこの1件だけだったのですが、以下2件の所管事務調査(議案ではないがその委員会に関連する内容について調査すること)が行われました。
①官民連携ガイドラインの改定について
西東京市でPPP手法導入の検討を行う対象事業を示し、導入の検討開始から、事業化決定までの手続きを手引きとして示すもの。保谷庁舎敷地活用事業や市民会館跡地活用事業の実績を参考に令和2年度中の改定予定だったが、両事業の事業者募集・選定が休止されることになったため、改定作業の終了時期は改めて検討するとの説明がありました。要するに、これまで以上に民間と連携して事業を進めていけるようにしようという話です。
②公有財産の処分について
都立東伏見公園内の市道(市の道路)を廃止し、公園管理者である東京都に無償貸し付けする方向で調整する予定、現在道路によって南北に分かれているが、公園整備を進めることで一体的に利用できるようになると聞いているといった説明がありました。要するに、道路ではなくなるけれども市の財産である土地を、市民も使える都立公園の一部になるのでタダで東京都に貸しますよという話です。
これについて、なぜ無償貸し付けなのか、東大農場の場合は東大側が買い取った事例もあるが、今回も東京都に対して売却すべきではないのか、この市道部分の面積や評価額はどれくらいかといった質問が出て、約1000㎡が無償貸与の対象となる、正確な評価額はわからない、東京都からは同様のケースで買収した事例はないと聞いている、といった答弁がありました。
委員からは、正確な面積や公示価格、測量図などを資料として提出すべき、東京都との協議の中で様々な市民要望を伝えいくべきといった意見が出されました。
【6月12日 建設環境委員会】
田村が所属する委員会です。議案8件と陳情1件が審査されました。
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市道路線の認定について×5、市道路線の変更について×1、市道路線の廃止について×2
議案8件と言いましたが、すべて市道に関するもので、認定と変更はいずれも宅地開発による寄附によるものです。
残る2件の市道路線の廃止については、前の企画総務委員会の項でも触れた都立東伏見公園内に位置する市道を公園整備に伴って廃止するものです。
私は、市道廃止後は車の通行はできるのか、生活道路として使っている人はいないのか、近隣住民への説明はしているのかといった質問をしました。答弁としては、日に数台が通過する状況、廃止後は通行できない、道路の入口3か所に看板設置等を行うという答弁がありました。
結果:すべて賛成全員で可決
次に継続審査となっていた陳情1件が審査されました。
原爆暦78年(令和4年)10月から東京都シルバーパスで、はなバスに乗れるように市議会で検討する事に関する陳情
私からは、そうなったらいいなという思いはあるが、前回の委員会で交通課長から「市が独自にバス事業者に対する運賃保障を行う必要が生じる」という意見が出された。外出自粛の中ではなバスの利用者が減少し、補助が増えるという見通しがある中、令和4年10月という時限で検討するのは慎重にするべきではという意見を述べました。
他の委員からは、どの場所で検討するのが最善なのかを考えていく必要がある、財政が厳しい中で公共交通空白地域の移動手段など先に考えるべきことがある、といった意見が出ました。
結果:賛成なしで不採択
【6月15日 文教厚生委員会】
議案2件、陳情2件が審査されました。
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西東京市介護保険条例の一部を改正する条例
国の政令改正による低所得者の保険料軽減措置の強化に伴い、介護保険第1号被保険者の保険料について、所得第1段階の介護保険料を21,400円に(△5,700円)、所得第2段階の介護保険料を29,800円に(△9,500円)、所得第3段階の介護保険料を47,400円に(△1,900円)、それぞれ引き下げるというものです。
結果:賛成全員で可決
西東京市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
放課後児童支援員研修の実施者として、中核市の長を加えるものです。
結果:賛成全員で可決
西東京市内のコロナウイルスの対策・激減・予防に関する陳情
質疑、意見、討論はなく、採決されました。
結果:賛成なしで不採択
西東京市における公民館及び図書館の男女トイレに関する陳情
ひばりが丘公民館、ひばりが丘図書館の男女トイレを改修してウォシュレットを設置してほしいという内容です。公民館長からは、中央図書館・田無公民館とひばりが丘公民館の男女トイレ以外はすべて洋式化が済んでおり、中央図書館・田無公民館は令和3年度の耐震補強工事の際に改修すること、今後は財政状況を踏まえて計画的に実行するとの説明がありました。
これについて、各館のトイレの現状や改修の経過、利用者懇談会での意見の状況などについて質問があり、対応が必要だという認識はあるという答弁がありました。
結果:賛成全員で採択
続いて、所管事務調査として、市内小中学校の再開についての調査が行われました。
教育指導課長から、国が2月27日に学校休業要請を出してから学校再開までの流れ、その間の対応などについて説明がありました。詳細は資料を参照してください。
また、委員からは以下のような質問がありました。詳細は動画の46分20秒あたりからをご覧ください。
・学習指導要領の弾力化についての考え
・教員の心のケアについて
・都立高校入試から除外される範囲についての扱い
・国の2次補正予算により増える教員の配置について
・登校は分散登校だが、下校時はどうなるのか
・土曜授業が学校ごとになった経緯
・今後の給食のあり方、委託業者のコロナ対策
・学校行事の考え方、保護者の参観
・1学期末、2学期初の昼暑い時間の下校対策
・感染拡大により市の独自判断をするか、授業時間の確保は
・夏季休業短縮で子どもたちや先生の負担が増すのではないか
・分散登校、時差登校の詳細は
・自宅学習の今後の取り組み、家庭への支援
・3月の勉強の習熟度
・4、5月の約240時間分をどう補っていくか
・プール指導はどうするのか
・想定外の問題事案、気になった事例はなかったか
【6月16日 予算特別委員会】
新型コロナウイルス感染症対策に関わる予算の増額と、西東京市誕生20周年記念事業及び関連事業をはじめとする事業の中止による減額という、大きく2つの要素を盛り込んだ令和2年度西東京市一般会計補正予算(第4号)が審査されました。
詳細はこちらの記事をご覧ください
結果:賛成全員で可決
【6月18日 議会運営委員会】
継続審査となっていた原爆暦77年度(令和3年度)から提出される陳情提出者の個人情報の保護に関する陳情が審査されました。
事務局から、多摩26市における陳情者の個人情報の扱いに関する資料が提出され、引き続き検討が必要であるとのことで再度継続審査となりました。
また、今年度予定していた行政視察と、議会主催の20周年記念事業をいずれも見送ることが決定しました。20周年記念事業では子ども議会の開催や子ども向けパンフレットの作成を予定していました。見送りとなったのは大変残念ですが、20周年という節目とは関係なく、状況が許せばぜひ開催してほしいと思います。
【6月23日 予算特別委員会】
ひとり親世帯臨時特別給付金事業、賃貸店舗等家賃補助事業(件数の拡充)、新型コロナウイルス感染症に伴う学校環境整備事業などを盛り込んだ令和2年度西東京市一般会計補正予算(第5号)が審査されました。
詳細はこちらの記事をご覧ください
結果:賛成全員で可決