「市議会議員によるSNS等の投稿に関する決議」に反対

3月議会最終日の3月28日、自由民主党西東京市議団の稲垣幹事長より、議員提出議案として「市議会議員によるSNS等の投稿に関する決議」が提出されました。決議文には、「SNSによる発信や拡散には社会的責任が伴う」「市民に誤解を与えないような表現を心がけるべきであり、とりわけ自己を律するべきである」などとした後に、議会での発言取り消しに関する手続きについて詳細を説明し、次のように書かれています。

○個人の億測を交え、これ(取り消した発言)をSNS上に公開することは、議員の言論を委縮させるだけでなく、正当な議会の手続により処理された内容を、無用な混乱におとしめるもの
○発言の取消しがあった事実をSNS上に取り上げるだけならまだしも、SNS投稿者の私見も交え、これを公開することは、議会制度そのものの信頼を揺るがしかねない
○所定の手続によりなされた行為を事実のみならず、私見を交え、これを公開することは、殊さら慎重でなければならない

表現は異なりますが、ほぼ同じことを言っていることがわかると思います。全文は以下の画像をご確認ください。

議員提出議案は、提案理由と質疑を省略して討論・採決に入る場合が多いのですが、今回は議会運営委員会の中で、提案理由の説明と質疑を行った方がよいとの意見が出て、提出者である稲垣議員による提案理由説明と、それに対する質疑を行いました。

Q:特定の人物や案件を指し示しているのか。
A:一般論として提案している。
Q:なぜこの時期なのか。
A:タブレットの試験的使用が始まった。これから情報の受発信をどのように行っていくのかがテーマになるタイミングで提案した。自民党では、議会運営委員会に議員個人の情報発信のルール化を協議事項の一つとして求めている。これをきっかけに議論が進めばと思っている。
Q:全会一致での可決が可能だと思っているのか。
A:今後の具体的なガイドラインは議会運営委員会の総意を形成すべきだが、今回の決議は個々人の判断で、あくまでもきっかけづくりになればと思っている。
Q:議会運営委員会の議論でよいのではないか。
A:細かいルールは議会運営委員会で定めるべきで、今回の決議は一つのきっかけづくりになればと提案している。
Q:一般論としてとのことだが、内容が個別具体的なものになっているのはなぜか。
A:わかりやすい事例として記載した。
Q:決議は誰に対して何を求めるものか。市民への影響は。
A:決議の意味は機関意思を決定するということ。市民を拘束するものではない。

3月議会の予算特別委員会において、発言の取り消しというこの決議が問題にしていることと同様のことがあったため、私はてっきりそのことが引き金になって決議を出したのだと思ったのですが、提出者は「個別の案件とは関係なく一般論だ」と述べ、かみ合いませんでした。

私は反対討論の中で、

○SNSの発信は議会外の個人の政治活動であり、発信者自身の責任において行われるべきもの
○何らかの取り決めが議会において必要だとしても、決議という形ではなく、各会派・議員の意見を聞き取りながら、合意を得ていくべき
○こうした形で決議を上げることを市民はどう判断するか。ますます議会に不信感を持つ市民が出てきてしまうのではと危惧する

などと述べました。

西東京市議会インターネット中継
田村の質疑:40分25秒~
田村の反対討論:1時間14分32秒~

採決結果は、以下の通りです。

【賛成 13】
遠藤 源太郎(自民)
小林 たつや(自民)
稲垣 裕二(自民)
田中 のりあき(自民)
酒井 ごう一郎(自民)
坂井 かずひこ(自民)
中川 清志(自民)
山田 忠良(自民)
冨永 雄二(自民)
小幡 勝己(公明)
佐藤 公男(公明)
藤田 美智子(公明)
小峰 和美(無所属)

【反対 11】
藤岡 智明(共産)
保谷 清子(共産)
大竹 あつ子(共産)
中村 すぐる(共産)
森 しんいち(立憲)
佐藤 大介(立憲)
かとう 涼子(ネット)
後藤 ゆう子(ネット)
森 てるお(無所属)
納田 さおり(無所属)
田村 ひろゆき(無所属)

【退席 2】
大林 光昭(公明)
田代 伸之(公明)

※議長は採決に加わらない

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