7月5日・6日の2日間、早稲田大学大隈講堂で行われた全国地方議会サミット2023に参加しました。お世話になっている議員との情報交換、久しぶりの再会など、リアルの学びはやはりいいですね。
今回のサミットのテーマは「変わる社会・デジタル・あたらしい民主主義~激変する時代に対応する社会基盤としての議会を実装する~」で、初日は「デジタルで変わる自治体・政策」「オンラインとデジタルを活かす」「デジタルが拓くあたらしい民主主義」というデジタルをキーワードにした3つのセッションが行われました。
デジタル化というと様々な課題があるのも事実で、それはそれで解決してもらわなければならないのですが、いかにうまく活用して、住民福祉の向上や開かれた議会の実現につなげていくかが問われていると感じました。
例えば電子図書館や電子書籍データを用いた音声自動読み上げサービスは、より多くの人が本に触れる機会を増やすことに貢献しています。オンラインを併用した市民との意見交換会には、直接現地に行けない人も参加することができるようになります。インターネット投票が実現すれば、若年層の投票率向上や移動困難な高齢者の投票機会を確保することができます。サミットではこれらの事例紹介が行われました。
1日目最後のセッションには、仕事や育児を犠牲にせず、既存のやり方に囚われない選挙運動を実践して当選し、その後「選挙チェンジチャレンジの会」を立ち上げて新しいスタイルの選挙運動を全国へ広げる活動をしている、つくば市議会議員の川久保皆実さんが登壇しました。
川久保さんは彼女が学生の頃に政治とは全く違う場所で知り合い、その時はまさか政治家になるなんて思っていなかったので、こういう形での再会となり驚きましたが、素晴らしい活動をされていて尊敬します。
2日目は、北川正恭氏、片山善博氏、廣瀬克哉氏による鼎談でスタート。続いて3つのセッションは、「政策議会の一般質問」「自治体監査と議選監査委員を活かす」「政策につよい議会をつくる」という内容でした。
一般質問とは何か?という問いかけには何と答えるでしょうか。実は一般質問は憲法にも地方自治法にも書かれていない「法定外」の機能です。だから重要ではないということではありませんが、所詮個人のパフォーマンに過ぎないという捉え方があるかもしれません。セッションの中では、議会にとって一般質問は、行政の政策を間接的に制御できる機会であるという考え方が示され、一般質問の内容を事前に議員間で検討したり、事後に検証するしくみを導入している議会の事例が示されました。
中でも、毎年の常連になりつつある北海道鷹栖町議会では、一般質問の事前勉強会により内容を高め、案内チラシや紹介動画により町民向けに広報、当日は傍聴者に議員のプロフィールや質問の要約を資料として配布、通信簿をつけてもらって平均点やコメントを議会報に掲載するといった取り組みまで行われています。さらに、町民の関心の高いものは委員会の調査研究につなげているとのこと。まさにチーム議会の取り組みです。
すべてのプログラムが終わり総括に立った、早稲田大学名誉教授で元三重県知事の北川正恭氏は、「今日の学びをいい話だったなで終わらせないこと。周りに広げて、自分たちもやってみようと取り組んでいくこと」と話されました。すべてが今すぐ西東京市議会でできるとは思えませんが、できることから、一つずつチャレンジしていきたいと思います。