12月19日、第4回定例会が閉会しました。先に議会の意思を一致して示せた話からお伝えすると、議員提出議案として提出された「パレスチナ紛争の人道的停戦を求める決議」が全会一致で成立しました。非核・平和都市宣言をしている西東京市の議会として、パレスチナ紛争の即時停戦を求める決議を可決できたことはよかったと思います。
同じく議員提出議案として提出された「刑事訴訟法における再審規定(再審法)の改正を求める意見書」も全会一致で成立しました。
以下、賛否態度の割れたものを中心にご紹介します。
議員提出議案第11号 脱原発、脱炭素に向け再生可能エネルギーへの転換の加速を求める意見書
脱原発、脱石炭火力を脱炭素政策の柱として早急に実現することなどを国に対して求める内容で、これから向かうべき方向性としては多くの人が賛同するものではないかと思います。しかし、「2035年の再生可能エネルギー電力目標を80%以上とすること」という内容が野心的すぎるため、「現実的ではない」という反対討論もありました。結果は、賛成が13名(立憲、共産、生活者ネット、無所属の小峰議員、納田議員、長井議員、田村)、反対が14名(自民、公明、維新・国民)という僅差で否決となりました。
陳情第19号 高齢者補聴器購入費の助成等を求める陳情
この陳情は6月の第2回定例会に提出されていましたが、実施するにあたっては医師会の先生方の協力が不可欠だとして、医師会の動向を確認してもらうため継続審査とし、今回その報告を受けて採決が行われました。結果は、自民、公明、立憲、無所属(小峰議員)の反対多数で不採択となりました。
この陳情の審査でポイントになったのは、聴覚検診や医師によるアフターフォローを行うことができるかどうかという点でした。聴覚検診を実施した場合の外来診療への影響の懸念や、市内で認定を受けた補聴器販売店の数に課題があるという指摘から、「時期尚早」だというのが反対の立場の主張でしたが、賛成の立場からは、「陳情者の正当な願いをそれを聞き届け、様々な課題の解決に尽力するのが議員の役割」「対象年齢を5歳刻みにする、自己負担額を設定するなど、どうすればできるのかを市として探るべき」といった討論がありました。
陳情第26号 有機フッ素化合物(PFAS)の検査及び対策に関する陳情
保谷町給水所で取水が続く2つの水源井戸(国の暫定基準値を超えるPFAS濃度が検出されたことがある)の使用停止、地下水・井戸水検査による実態把握と結果の公表、市民の血液検査、横田基地への立入調査を国や東京都に求めるといった内容です。結論としては、自民、公明、立憲、維新・国民、無所属(小峰議員)の反対多数で不採択となりました。
私は賛成しましたが、正直に言うと直前まで悩んでいました。PFAS対策に市がさらに力を入れるべき、という考えは当然私も持っています。引っかかっていたのは、地下水・井戸水の検査を行い「結果を公表する」という部分です。この点、反対と賛成の双方から討論がありました。
反対「結果を公表すれば風評被害を生む。地価の下落などを招き市民に不利益が生じる恐れがある」
賛成「個人の井戸の調査や結果の公表は当然同意が前提。個人や住所の特定をしないなど公表方法は工夫できる」
これらを聞いた上で、私は賛成することにしました。結果は反対多数で不採択となりましたが、不採択になったからと言って、今の西東京市のPFAS対策が十分だという意味ではありません。国の暫定基準値を超える値が検出された水源井戸からの取水停止ができないか東京都に求めるなど、市としてこの問題にさらに取り組む姿勢を見せてもらいたいと思います。