6月9日から18日まで、8日間にわたって予算特別委員会が開かれ、令和3年度一般会計予算や各特別会計予算などを審査しました。一般会計予算は便宜上2つに区分され、それぞれ質疑を行います。私も第1区分(歳入全般、議会費、総務費、民生費、衛生費など)・第2区分(労働費、農林費、商工費、土木費、消防費、教育費など)あわせて20項目の質問をしました。また、審査途中で介護保険料の督促状の誤発送という新たな問題が発覚し、資料が提出されたため、この件についての質疑も行いました。
主な質疑の内容をご紹介します。市議会が市民生活に身近なテーマを扱っていることがお分かりいただけるのではないかと思います。
【今後の庁舎のあり方と保谷庁舎敷地活用について】
問:今年度実施する田無庁舎の耐力度調査はいつ出るか。
答:できる限り速やかに実施して結果を出す。
問:仮に30年もつといった結果が出た場合、統合そのものを見直す可能性は。そこまで先のことを今決められるのか。
答:庁舎の規模や内容については他自治体を調査して検討する。
問:保谷庁舎の敷地活用期間は耐力度調査の結果によって考えるべきでは。
答:期間は重要であり、庁舎統合方針の見直しに伴い再検討する。
【PR親善大使の今後について】
問:昨年3月の質問時から大使の数は変わっていない。新たな候補への呼びかけなどしているのか。
答:令和2年度は呼びかけを行っていない。
問:一度大使になるとずっと続くのか。継続の意思確認などするのか。
答:就任から2年を迎える年度末までである。特段の意思表明がなければ1年ずつ更新する。
【市ウェブサイトのリニューアルについて】
問:資料によるとスマホ版のトップ画面の表示変更とあるが、具体的には。
答:現在検討中である。
問:スマホ版でトピックスなどの項目タイトルが一定の文字数で切れてしまう問題を指摘したが、改善されるか。
答:改善する予定である。
【子ども・地域応援企画提案事業補助金の選考について】
問:新しい補助金。市政モニター100人で選考するとのことだが、どのようにするのか。
答:子ども分野で3事業、地域分野で3事業選ぶ。企画書を提出してもらい、市政モニターの皆さんに1事業ずつ選んでもらう。
問:NPO等企画提案事業では2次審査でプレゼンテーションもある。書類だけでいいのか。
答:多くの人に出してほしいとの思いから簡素化した。企画書に不明点があれば担当がヒアリングを行う。
【市民まつり中止と市民文化祭実施の差】
問:市民まつりは中止で延期もないと発表された。市民文化祭は予定通り実施なのか。差はどこにあるか。
答:市民まつりは屋外開催で来場者管理が難しい。市民文化祭は無観客という選択肢も含め、来場者管理ができる。
問:再度の緊急事態宣言等の場合はどうするのか。
答:状況により実行委員会と相談する。
【子供の食の確保事業費について】
問:今年度はどのような形で事業を行っていくのか。予算額の根拠は。
答:子ども食堂の支援として1食堂あたり170万円、計11か所を支援する。
【粗大ごみ収集の混雑状況】
問:5月の連休明けに専用ダイヤルが混みあっていると繰り返し発信していた。昨年度は受付から収集まで2ヶ月前後要する時期もあったが、今年度は大丈夫か。
答:以前から週明けの月曜日は電話が混みあうことがあった。今はおおむね2週間で収集できている。
【はなバスの運行補助金増加と収支率の考え方】
問:年々運行補助金が増えている。令和2年度は外出自粛の影響で利用者数・運送収入共に36%減。今年度はどう見積っているか。
答:昨年10月のダイヤ改正以降で、緊急事態宣言が出ていない期間の利用者数で推移したと考えて計算した。
問:行革アクションプランには「評価指標の修正を検討」とあるが、令和5年度目標の収支率70%は困難と見ているのか。
答:現状が続くとなかなか厳しい。修正が必要か検討する。
【防災行政無線の聞こえについて】
問:自宅が市境にあるが、他市(武蔵野市・小平市)の防災無線の方がよく聞こえる場合がある。機械自体が違うのか。
答:武蔵野市とは同じスピーカー。小平市は音達距離が倍のスリムスピーカーを採用している。
問:小金井市では同じ内容を男性・女性と別の人の声で繰り返している。試してみてはどうか。
答:今後検討する。
【タブレットの学校での充電について】
問:先日小学校を見学した。教員用のPCとモニターをつなぐケーブルの数が足りず、自ら購入した教員もいたと聞く。
答:当初一定数の配布を行ったが、7月以降に追加配布を行う予定である。
問:家庭への日々の持ち帰りが大変だという声を多く聞く。学校で充電する対応はできないか。
答:学校にも一定数の充電保管庫がある。積極的に活用していく。
【演劇鑑賞・音楽鑑賞教室の中止理由】
問:小学4年生で演劇鑑賞、5年生で音楽鑑賞。昨年度に続く中止となった理由を問う。
答:一堂に会しての鑑賞であり、困難と判断した。
意見:非常に残念。一方でオリパラの観戦は行われようとしている。理解が得られないと思う。
【市長は聖火リレーの中止を求めよ】
問:7月14日にオリンピックの聖火リレーが予定されている。車だけでなく自転車や歩行者の横断もできないのか。
答:自転車や歩行者も規制を受ける。
問:聖火リレーに関して「市が判断していく」という答弁があったが、本市が独自に中止を判断できるのか。
答:東京都聖火リレー実行委員会が決定する。最終ランナー到着後の「ミニセレブレーション」等の関連行事は市が判断できる。
問:市が聖火リレーの実施について意見を言うことはできるのか。
答:実行委員会の構成員には市長会も入っている。
意見:市長として、市民の命と健康、市民生活への影響を考えて中止すべきと主張してほしい。
この他、審査の中で介護保険料の督促状の誤発送という新たな問題が発覚し、この件についても質疑が行われました。その内容は以下のようなものです。
年度途中で所得が変わるなどの理由で保険料が増額する方がおり、昨年8月に変更の処理をした。しかし、直後に年金からの特別徴収誤りが判明し、金額を精査する必要があったため、増額分の納付書の発送を止める。ところが、10月12日に誤って督促状を送付。
10月13日に市民からの問合せで判明。13、14日の両日で対象者宅へ訪問や電話で事情説明とお詫び。対象者99人のうち20人がすでに支払ってしまったため、還付等で対応した。
このように、誤った情報に基づいて「至急払って」という督促状を送ってしまったという大問題なのです。届いた市民も驚いたでしょう。市長はこのような事態は「8年間の副市長の中で初めてだ」と答弁。
深刻な事態にも関わらず、介護保険料特別徴収の処理の対応状況についてが議題になった10月15日と11月19日の文教厚生委員会でも一切報告なし。市長は「配慮に欠けた」とお詫びしましたが、根深い体質なのでは?と思わざるを得ません。