令和3年第2回定例会議決結果一覧 一般会計予算には賛成

毎度おなじみの議決結果一覧を掲載します。第2回定例会は昨日6月22日が最終日でした。通常、一般会計予算は3月議会で審査するのですが、今年は3月の段階では暫定予算だったため、この6月議会で一般会計予算の審査を行いました。そのためいつもの6月議会により会期が長く、ハードな議会となりました。

一般会計予算は総額722億3千万円。市税が前年度3.3%減となりましたが、思ったほどの落ち込みではなかったというのが本音のところてす。課題も多々あったものの、子ども・若者支援策の実施や、今年度中の「ゼロカーボンシティ宣言」に向けた取り組みなどを評価し、賛成としました。反対に回ったのは共産党と、無所属の森てるお議員でした。後ろの方に私が議場で行った「賛成討論」の原稿を掲載しますので、よろしければご覧ください。

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この他、賛否が大きく割れた件は以下の2つです。

■「脱炭素、脱原発を進め、再生可能エネルギー電力の割合を高める2030年エネルギー基本計画の改定を行う意見書の提出」を求める陳情

賛成12 共産、立憲、ネット、無所属(小峰、森て、納田、田村)
反対14 自民、公明

■今夏の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催中止を求める意見書

賛成10 共産、立憲、ネット、無所属(森て、田村)
反対15 自民、公明、無所属(納田)
※小峰議員は退席

納田議員は反対討論の中で、もともと延期を主張してきたが、前日(6/21)に観客上限が決定し、中止や延期が極めて難しい状況になったことから、苦渋の選択として感染対策を徹底していくことを求める、といった話をされていました。

これは数の力であり、やむを得ないと言ってしまえばそれまでですが、自民・公明で過半数の14議席(議長を除く)を持っていますので、この両会派が一致して行動する限り、彼らの判断で議案の可否は決まってしまうことになります。この数が拮抗し、無所属議員の判断で議案の可否が決まるような(いわゆるキャスティングボートというやつですね)状況が生まれれば、無所属議員の存在感がぐっと高まるのですが、あと1年半は今の状況が続くと覚悟しなければなりません。

【本会議での「賛成」討論】※実際の議場の発言と異なる場合があります

議案第30号 令和3年度西東京市一般会計予算に対し、賛成の立場で討論いたします。

冒頭指摘しておきたいのは、予算審査の過程において、介護保険料の督促状の誤発送という、これまで全く明らかになっていなかった事務処理における重大な誤りが発覚したことであります。
昨年8月、介護保険料の年金からの特別徴収誤り4万2千件の問題が起こり、金額を精査する必要があったため、増額分の納付書の発送を止めていたにも関わらず、10月12日に誤って督促状を送付してしまい、対象者99名中20名が実際に納付してしまったという大変な問題です。
しかも、この間議会としても、文教厚生委員会において、介護保険料特別徴収の処理の対応状況についてを議題として、情報共有の場を持ってきたにもかかわらず、一切報告がなかったことは、遺憾という言葉では言い表せないくらいの残念な思いです。
去る3月の暫定予算審査の際にも、予算特別委員会当日の朝になって西東京いこいの森公園の指定管理者にかかる法令違反の事実が明らかになり、審査に影響を与えたことを考えれば、続けての執行部の大きな失態であり、池澤市政の抱える根深い問題ではないかと言わざるを得ず、猛省を求めるものであります。

さて、改めて本予算は歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ722億3千万円とするもので、第1回定例会で成立した令和3年度西東京市一般会計暫定予算を包含するものであります。

予算編成全体として、歳入において市税が新型コロナウイルス感染症の影響等により前年度3.3%減となる中、財政調整基金残高の回復と公債費管理の徹底を図るとして、財政調整基金繰入金の抑制、臨時財政対策債の借入抑制を行ったことは大きな方向性として一定評価するものです。しかし一方で、コロナ禍あってに多くの市民、事業者が苦しむ中、これまでのコロナ対策予算に結果として投じられた市の一般財源が1000万円に過ぎないという事実も指摘しておかなければなりません。持続可能な行財政運営は当然目指すべき方向性ですが、すでに1年半近く続くコロナ禍は未曽有の危機であるということも踏まえ、緊急的な対応も果断に行っていただきたいと思います。

第1回定例会でもテーマになった「子ども・若者支援」に関しては、令和2年度に引き続いて子どもの食の確保事業として市内の子ども食堂への補助や、今年度の新たな取り組みとして、国の就学支援新制度を受けている非課税世帯等の学生を対象とした、西東京市学生応援特別給付金などが盛り込まれていることは評価します。
SNS(LINE)を活用した新たな若者向けの相談制度については、似たような趣旨の相談制度もある中、どのように効果的な運用が行われるか、今後の実績を注視いたします。今月26日に実施予定の、大学生等に対する食料・生理用品の無償配布については、どの程度のニーズがあるのか、受け取りに来る方の属性なども調査したうえで、単発に終わらない継続的な支援の方法を考えていただくようお願いいたします。学童クラブの過密化対策として、特に定員超過の著しかった東学童クラブの改修工事が行われることは評価いたしますが、他の学童クラブにおいても、教育委員会とも連携した対策を引き続き講じていただくようお願いいたします。

環境分野に関しては、施政方針において気候危機への懸念を表明し、2050年温室効果ガス(二酸化炭素)実質排出ゼロに取り組み、令和3年度中に「ゼロカーボンシティ宣言」を行うことを目指すと表明されたことは高く評価します。脱炭素化への取り組みは、特定の担当課のみで行うことではなく、文字通り全庁的な取り組みが必要で、すべての部署において何ができるかを考えることが必要です。
これまでよく言われてきた電気をこまめに消す、空調の設定温度に気をつけるといったことに限らず、ペーパーレス化や、職員も市民も庁舎間の移動をできるだけしなくて済むような、遠隔会議システム、相談システムの導入、AI等の活用によるいわゆる働き方改革を進め、時間外勤務を減らしていくことなど、市役所のあり方そのものを問い直す契機になると考えます。今年度の早い時期に田無庁舎の耐力度調査を実施し、庁舎統合方針を見直すとのことでありますが、この点も踏まえた上での見直しをしていただくようお願いいたします。

本市の課題の一つとして、市の情報発信についての課題を当選以来、事あるごとに指摘してまいりました。特にコロナ禍においては市として市民生活を制限するお願いをする場面も多く、市民からは市の説明が不十分であるというご意見を多数聞いてまいりました。
市長からは、行政情報の発信の強化、とりわけ、わかりやすい情報をいかに正確に素早くお届けできるかが大変重要との認識が示されました。この点は私としても同様に課題と認識するものです。今年度は、市ホームページのリニューアルに取り組むとのことでありますが、単に見た目の改善にとどまることなく、発信される内容そのものの正確性、迅速性、わかりやすさが向上するような取り組みを期待します。

直近の課題として、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会と、それに伴い行われる市内の関連行事に触れなければなりません。私はもとより、今夏のオリンピック・パラリンピックそのものを中止すべきと主張してまいりましたが、現在の議論は、開催するかしないかではなく、開催は前提のものとして、観客をどれくらい入れるかに議論が進み、昨日には、組織委員会、政府、東京都、IOC、IPCの5者協議において、観客上限を会場定員の50%以内、最大1万人と決定したとの報道がありました。
市民の中にも、中止、延期、無観客開催、有観客開催など様々な意見があると思いますが、大会の開催そのものは許容するとしても、開催により現在の感染状況がさらに悪化すること、私たちの日常生活に影響が出ることは勘弁してほしいという方が多いのではないかと思います。
本市では、7月14日にオリンピックの聖火リレーが、8月23日にパラリンピックの聖火リレーが、それぞれ予定されています。本市のような人口密集エリアで聖火リレーが行われれば、どれだけ対策を徹底しても密状態が生まれてしまいます。また、長時間にわたる交通規制は市民の日常生活に大きな影響を与えます。聖火リレーの運営は東京都聖火リレー実行委員会が行っているとのことでありますが、池澤市長はこの構成員である市長会の一員として、西東京市民の命と健康を最優先する立場から、公道での聖火リレー実施は中止せよと主張するべきです。
市内の小中学校で計画されている学校連携観戦プログラムについても指摘しなければなりません。例えば演劇鑑賞教室、音楽鑑賞教室が一堂に会しての実施であることを理由に中止されるなど、子どもたちの学校行事や日常の学校生活に様々な制約が生じる中、オリンピック・パラリンピックの観戦だけが特別扱いされるかのように実施されるのは理解できません。生の競技を観戦したいという子どもたちがいることにも配慮し、子どもたちの思いに寄り添っていくことは当然ではありますが、感染力の強い変異株の出現や、ワクチン接種がいまだ集団免疫を獲得するレベルにまでは至っていない状況等を鑑みれば、現在予定されている学校連携観戦プログラムについては、中止の決断をすべきと申し上げます。

最後に、本市の週単位の新型コロナウイルス新規陽性者数は、5月26日~6月1日が27名となった後、6月2日~6月8日が33名、6月9日~6月15日が52名と増加に転じています。これは、東京都や全国の状況とは異なる傾向であり、大変憂慮しています。市長、教育長にはこの状況を踏まえ、市民の命と健康、子どもたちの命と健康を第一にした対応を進めていただきたいと強くお願い申し上げた上で、本予算に対する賛成討論といたします。

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