委員会審査報告② 市内消費喚起事業の効果検証は不十分

令和4年第2回定例会の委員会審査報告②は、予算特別委員会での審査報告です。

【6月3日 予算特別委員会】

議案第32号 令和4年度西東京市一般会計補正予算(第3号)

子育て世帯生活支援特別給付金給付事業に係る補正予算です。具体的には、児童扶養手当受給者等、低所得のひとり親世帯と、その他の低所得の子育て世帯に対し、児童一人あたり5万円の特別給付金を支給するというものです。
私がトップバッターの質問者となったので、まずは支給対象者や、支給時期といった基本的な質問をしました。外国人、生活保護世帯、DVを理由に避難している方への対応なども確認しました。
その後、こうした子育て世帯に対する給付金に関し、所得制限をなくして広く支給すべだという考え方があるが、市長はどう考えるかと問いました。答弁は「真に困窮する方に寄り添う」というもので、寄り添っている風ではあるものの、言い換えれば対象は絞るべきという内容でした。しかし、新型コロナや物価高騰の影響は幅広い世帯に及んでいます。市の財源が厳しければ国に要望を、とも指摘しましたが、前向きな答弁が得られなかったのは残念です。

結果:賛成全員で可決

【6月14日・15日 予算特別委員会】

議案第47号 令和4年度西東京市一般会計補正予算(第4号)

住民税非課税世帯等臨時特別給付金給付事業、生活困窮者自立支援金支給事業、保護者負担を増やすことなく学校給食の質・量を確保するための補助金、昨年度実施した各種経済対策の結果により生じた超過交付返還金などに係る補正予算です。給食食材購入費補助金は、今後の物価上昇分を見込み、8%分の補助を来年3月まで実施するものです。

私は、超過交付返還金に関連して、昨年度実施された市内消費喚起事業(プレミアム応援券)やキャッシュレス決済ポイント還元事業の実績をどう評価するかについて議論しました。一言でまとめると、効果検証が十分行われていないというのが感想です。
昨年の9月1日から12月31日まで行われた市内消費喚起事業では、当初、買物券40,000冊、食事券35,000冊の販売を見込んでいましたが、結果として販売に至ったのは買物券47,878冊、食事券14,209冊です。当時、この事業を含む補正予算を審査した際には、新型コロナが収束する保証はなく、食事券の規模が大きすぎると指摘しましたが、現実に2次販売をしても売れ残るという結果でした。
市内消費喚起事業に参加した事業者へのアンケート結果が委員会資料として示されましたが、そもそも参加店舗648店舗に対して回答したのが242店舗。37%の回収率というのは少なすぎます。売り上げの効果については、もちろん上がったという回答が多いものの、32%と約3分の1が「変わらない」という回答でした。多額の税金を投入して消費喚起をした結果が「変わらない」というのは残念です。
また、このアンケートは市内消費喚起事業によって売り上げが上がったかを聞いていますが、私が大切だと思うのはこの事業の終了後です。プレミアム応援券というきっかけによって新たなお客さんが増え、事業期間終了後も以前より売り上げが伸びるというのが理想です。事業をやっている間は一時的に売り上げが上がるのだが、事業が終わるとまた売り上げが落ちてしまうの繰り返しでは、ずっと事業をやり続けなければならなくなります。このような事業期間終了後の調査を行っているのか聞きましたが、行っていないとのことでした。これまた残念です。
キャッシュレス決済ポイント還元事業に関しては、そもそも参加事業者へのアンケートを行っていないことがわかりました。アンケートも行わずに、どうやって政策効果を測るのでしょうか。
「売り上げが上がったと聞いている」「初めて来店する客が多くよかったと聞いている」といったことを担当課長は答弁するのですが、個別の喜んでいる声を点で聞いてもあまり意味がありません。客観的な数値やデータで示されなければ、効果測定にはなりません。
「商工会を通じて」「商工会から」といった答弁が多かったのも気になるところです。もちろん、商工会は市内事業者を一定程度まとめて、把握していらっしゃるとは思いますが、すべてではありません。加入していない事業者もたくさんいるわけです。そうした事業者の声に十分耳を傾けて政策が実施されているのか疑問です。
市内の消費喚起が必要ないと言うつもりはありません。しかし、億単位の税金を投入して実施する事業です。今年度も同様のプレミアム応援カード(今年度から紙券から電子商品券になる)や、キャッシュレス決済ポイント還元事業が実施されますが、事業の振り返り、データに基づく効果検証をしっかりしていただくことを求めます。

結果:賛成全員で可決

※録画中継はありません。

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