9月議会はまだ続いていますが、決算関連を除くほとんどの議案は9月14日の本会議で議決を済ませていますので、おなじみの議決結果一覧を掲載します。すでにお知らせした「安倍晋三元首相の国葬の中止を求める意見書」のほか、陳情の採決で大きく判断が分かれました。委員会の審査報告と共にお知らせします。
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【9月5日 企画総務委員会】
私が所属する委員会です。
議案第55号 西東京市個人番号の利用に関する条例の一部を改正する条例
東京都の心身障害者医療助成制度のマイナンバー利用が可能となったことに伴い、個人情報を利用する事務等を追加するものです。具体的には他自治体の所得証明が必要になった際(転入時)に、他自治体に取りに行く手間が省けるようになり、利便性が向上するとのことです。
情報漏洩のリスクはないのか、なぜ改正がこのタイミングだったのかといった質問があり、直接他市と接続せず、国の中間サーバーを介するので安全性は高いという答弁がありました。
結果:賛成多数で可決(共産党の保谷委員のみ反対)
議案第65号 西東京市市税条例等の一部を改正する条例
地方税法等の改正が行われたことに伴い、市税条例等の一部を改正するもので、個人住民税関係では上場株式等に係る配当所得等の課税方式の見直し(所得税と個人住民税の課税方式を一致させる)、給与所得者及び公的年金等受給者に係る扶養親族等申告書の記載事項の見直し、住宅借入金等特別控除の期間の延長、固定資産税関係では、DV被害者の住所等に代わる事項を追加するための整備等が行われます。
私からは、所得税と住民税の課税方式を一致させることにより、結果的に社会保険料、国民健康保険料に影響が出る場合があることから、丁寧にお知らせしていく必要があるという指摘をしました。
結果:賛成全員で可決
議案第68号 西東京市議会議員及び西東京市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
公職選挙法施行令の改正に伴い、自動車の使用、ビラ・ポスターの作成経費の支給限度額を引き上げるものです。こうしたものはどこの自治体でも同じなのかと思いましたが、多摩26市で1自治体だけ低い限度額を定めているそうで、自治体独自の判断の余地もあるということがわかりました。
結果:賛成全員で可決
議案第56号 西東京市人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例
議案第57号 西東京市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例の一部を改正する条例
議案第58号 西東京市職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例
議案第61号 西東京市職員の公益的法人等への派遣等に関する条例の一部を改正する条例
議案第62号 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
議案第63号 西東京市一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
議案第64号 西東京市職員退職手当支給条例の一部を改正する条例
7件の議案は一括して審査されました。地方公務員法の改正等に伴い、職員の定年年齢を段階的に65歳まで引き上げ、役職定年制を導入すること、現行の再任用制度を廃止して経過期間内は暫定再任用制度として措置すること、新たに定年前再任用短時間勤務制を導入すること、60歳に達する年度の前年度に60歳以後に適用される任用・給与に関する情報提供をし勤務の意思確認をすること、などが主な内容です。
大きな改正で、職員のライフプランにも影響する内容であることから様々な質疑が行われました。私からは、役職定年により課長補佐級に降任した職員に期待する役割、人件費全体への影響、定数管理への影響などについて質疑を行いました。
結果:すべて賛成全員で可決
議案第59号 西東京市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
議案第60号 西東京市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
地方公務員法の育児休業等に関する法律の改正等に伴い、育児休業を原則2回まで取得可能とすることから、育児休業等計画書の削除を行うことや、育児休業を取得しやすい勤務環境の整備、非常勤職員の育児休業等の取得制限の緩和、育児参加のための休暇の対象期間拡大、を行うものです。
男性職員の育児休業の取得状況について、私の質疑では「半分程度」との答弁でしたが、その後の質疑で平成29年度18.5%、平成30年度5.6%、令和元年度31.3%、令和2年度25.0%、令和3年度50.0%との答弁がありました。取得期間の短さも課題です。
結果:すべて賛成全員で可決
リンク:企画総務委員会(令和4年9月5日①午前)YouTube
リンク:企画総務委員会(令和4年9月5日②午後)YouTube
【9月5日 文教厚生委員会】
議案第66号 西東京市子供の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
現在乳幼児と義務教育就学児を対象としている医療費助成を、令和5年4月から高校生等18歳までに拡大、小中学生と同様に所得制限を適用しないものとするための規定の整備です。一部負担金200円が残ることについての考え方や、撤廃した場合の財政負担について質問がありました。
結果:賛成全員で可決
陳情第12号 性の多様性について理解し尊重したまちであるとの宣言を求める陳情
現在、男女平等参画推進委員会が市長の諮問を受けて開かれており、陳情趣旨にある内容もこの委員会の中でまずは検討していただく予定であると担当課から意見があり、委員間で協議の結果、閉会中の継続審査とすることになりました。
陳情第16号 西東京市の国民健康保険料「均等割」半減対象を小学6年生まで広げることを求める陳情
今年度から国制度として行われている未就学児童の均等割半減の対象を、市独自に小学6年生まで広げることを求めるものです。実は1年前の市議会に「中学3年生まで」広げる陳情が出され、僅差で否決となった経緯があり、「せめて小学6年生まで」と再度陳情があったものです。
担当課からは、7月25日の厚生労働省の事務連絡には、国の基準を超えて独自に保険料の軽減負荷について条例で定めることはできない仕組みとしている、とされていることが示されました。
賛成の立場の委員からは、「ニュアンスとして、禁止まではされていないのではないか」「地方自治体が先行して、後追いで国が制度を拡充するという例もある」といった意見が、反対の立場の委員からは、「すでに14.8億も一般会計からの繰り入れを行っている」「子どもを産めば産むほど保険料が上がる仕組みはやはりおかしい。あらゆる場で国に見直しに向けて意見を言うべき」といった発言がありました。
結果:賛成少数で不採択(賛成:共産-中村、立憲-森し、無所属-森て 反対:自民-小林・中川・冨永、公明-小幡・大林)
【9月6日 建設環境委員会】
議案第67号 西東京市手数料条例の一部を改正する条例
建築行為を伴わない既存住宅の認定制度の創設や、「長期優良住宅型」総合設計制度の創設など、長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の改正に伴う規定の整備です。
結果:賛成全員で可決
陳情第13号 (仮称)西東京市緑町計画 新築工事に関する陳情
旧東大農場の新街区E・Fへの共同住宅新築工事に関し、この地区の樹木や緑を残すよう事業者への働きかけ、なぜ6階建て共同住宅となったのかの経緯説明と市民が意見を述べられる説明会の開催等を求める内容です。
結果:賛成少数で不採択(賛成:共産-藤岡、ネット-後藤 反対:自民-田中・酒井・坂井・山田、公明-藤田、無所属-小峰)
陳情第15号 建設アスベスト被害の全面解決へ、アスベスト建材製造会社企業の基金拠出等、「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」の改正を求める国への意見書の提出を求める陳情
表題にある通りの国への意見書提出を求めるものです。
結果:賛成少数で不採択(賛成:共産-藤岡、ネット-後藤 反対:自民-田中・酒井・坂井・山田、公明-藤田、無所属-小峰)
【8月29日 予算特別委員会】
議案第49号 令和4年度西東京市一般会計補正予算(第6号)
オミクロン株対応の新型コロナウイルスワクチン接種に向け、接種券作成の準備を行うためのものです。早期対応が必要とのことから、本会議初日の先議案件となりました。
結果:賛成全員で可決
【9月7日・8日 予算特別委員会】
議案第50号 令和4年度西東京市一般会計補正予算(第7号)
議案第75号 令和4年度西東京市一般会計補正予算(第8号)
議案第51号 令和4年度西東京市国民健康保険特別会計補正予算(第1号)
議案第52号 令和4年度西東京市駐車場事業特別会計補正予算(第1号)
議案第53号 令和4年度西東京市介護保険特別会計補正予算(第1号)
議案第54号 令和4年度西東京市後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)
一般会計補正予算の主な内容は、公共施設の電気代高騰への対応、受験生チャレンジ貸付事業の要件緩和による貸付増への対応、子宮頸がん任意予防接種費用の償還払い、自宅療養者支援事業の体制見直し(配送を事業者に委託)、オミクロン株対応の新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保、来年4月からの高校生医療費助成の準備経費、子ども食堂推進事業の支援拡充などです。
なお、この委員会の開会前に、予算書に本来記載される項目が抜け落ちているというミスが発覚し、開会が1時間40分遅れました。市長、担当部長の謝罪と経緯説明に対する質疑が行われ、議会との信頼関係を損ねるものだと厳しい声が上がりました。
結果:すべて賛成全員で可決
※録画中継はありません。