6月18日に第2回定例会が終わりました。都知事選挙があるから、というわけではないと思うのですが、例年に比べると若干早い会期の設定でした。今回は議案の数が少なく、大きく対立する案件も少なかったのですが、最終日に自民党、共産党それぞれの議員から政治資金に関連する意見書が提出され、賛否が大きく割れました。
自民党の稲垣議員が提出したのは「政治の信頼を取り戻すことを求める意見書」※上記画像のもの。自民党が提出するものにもかかわらず、「自民党そして政治そのものに対する信頼は一気に消滅した」という強い口調の書き出しとなっていましたが、その中身は、「政治資金や政策活動費の取扱いについて、基準の明確化、収支報告書への記載・公表の徹底その他必要な見直しを行い」というもので、政治資金パーティーや政策活動費を温存する内容でした。
共産党の大竹議員が提出したのは「自民党派閥による裏金疑惑の全容解明と政治資金パーティー、企業・団体献金の禁止を求める意見書」です。内容は文字通りのものであり、抜け道は許さないというものでした。
通常、こうした議員提出議案の意見書に対しては、提案理由の説明や質疑を省略し、討論・採決に移るのですが、今回は議会運営委員会の場で公明党から「質疑をしたい」との申し出があり、他の会派、無所属の議員も含めて稲垣議員、大竹議員に本会議の場で質疑を行いました。
私は、稲垣議員に対して他の議員とは少し違う観点から質問をしました。それは、意見書の中に「自民党は、国民の怒りを真摯に受け止め、政治資金に対する大改革を行い、国民の信頼を回復すべく努めるべきである」という文言をなぜ入れたのか、というものです。この内容自体は私自身も同意するのですが、私が問題にしたのは、国会又は関係行政庁に提出できるとされている意見書の中で、特定の政党に「~すべき」「~すべきでない」といった内容を含めてよいのかという点です。仮にこれをよしとすると、議会の多数派が少数政党に対し同様の内容を盛り込んだ意見書を、議会の意思として成立させてしまう可能性があるのではないか、と考えました。この点は、私の自民党案への反対理由の一つとしました。
結果は以下のように割れる結果となりました。
自民、公明、維新・国民 → 自民党・稲垣議員案に賛成、共産党・大竹議員案に反対
立憲、共産、ネット、無所属 → 自民党・稲垣議員案に反対、共産党・大竹議員案に賛成
結果、自民党の稲垣議員が提出した「政治の信頼を取り戻すことを求める意見書」が賛成多数で成立しました。
その他で賛否が割れた議案、陳情です。
議案第38号 令和6年度西東京市一般会計補正予算(第2号)
新型コロナウイルスワクチンの定期接種事業のほか、小児インフルエンザ任意接種の補助、高齢者肺炎球菌予防接種の補助、風しんの追加的対策などが内容。賛成多数で可決。長井議員は新型コロナウイルスワクチン接種を進めることに反対しました。
議案第40号 西東京市下水道条例の一部を改正する条例
国が進めるデジタル社会の実現に向けたアナログ規制の見直しの一環として、指定下水道工事店における排水設備工事責任技術者を「専属」としていたものを、「選任」とし、都内の他の営業所の排水設備工事責任技術者を兼ねてもよいとする内容です。賛成多数で可決。委員会では市民へのデメリットは特にないとの説明がありましたが、小規模店舗への影響について慎重な検討が必要だとして共産党は反対しました。
陳情第4号 防災について市民・行政・議員・各関連機関が一堂に会し話合いのプロジェクトを始めるよう求める陳情
地域防災計画が見直されたが、膨大なもので理解できない。防災への予算も心もとない。ぜひ話し合いのプロジェクト立ち上げを、という内容でした。委員会審査では、すでに防災会議があり関係機関と連携している、議員は防災会議のメンバーではないが予算審査などで議論いただいている、防災市民組織も93組織ある、といった答弁が市からあり、賛成者はいませんでしたが、本会議では他自治体での事例も示しつつ、納田議員のみ賛成しました。
陳情第5号 「はなバス」に関する陳情
はなバスの敬老回数券が購入でき、100円で乗車できる年齢を、現行の75歳以上から70歳以上にすることを求める内容です。反対多数で不採択となりましたが、福祉的な視点から、共産党の3名が賛成しました。私としてもそうしてあげたい気持ちはあるものの、現状でも年間1億7千万円の運行補助金を投入していることを踏まえると、これ以上の収支の悪化は厳しいと考え反対しました。